短期合格の条件

さて、何回か書いていますが。元々弁理士になる前は学習塾でずっと教えていたので、教えることは元々プロでした。
自分は主に中学受験を指導していたのですが、一番最初の保護者会で必ず話していることがありました。

それは、「お子さんのことを一番知っているのは保護者でそれは勝てません。しかし、受験生のことを知っているのは塾側です。だから、受験勉強のことは任せて欲しい」ということです。生徒個人のことは当然保護者がよく知っています。しかし、多くの受験生をこちらはみているので、みんなが何処で躓くか、何が苦手かということを把握しているのは塾側なのです。


さて、これが弁理士受験生なると、さすがに「保護者」はいないので・・・受験生自身が判断します。この相対的な学習に基づいて我々も色々と話しますが・・・一筋縄には行きません。

他の受験生を見ている分、「特許法のこれは出来た方が良い」「これはかけなくても良い」という感覚は持っています。だから、「こうした方が良い」という考えを講師側は持っています。
しかし、そのアドバイス通り受験生が出来るとは限りません。一つは時間の制約です。学生の頃は勉強だけでいたが、社会人になれば当然仕事があります。大学生であれば学校もあります。だから「全文書きしましょう」と提案しても物理的に時間が無い場合があります。
また、ある程度受験勉強をくぐり抜けているので「独自ルール」をもっている人も多いです。そうすると「そのやり方よりこっちの方が自分は良いんだ」と思って中々やってくれません。それで良い結果が出ていれば良いのですが・・・中々そう上手くいかないことも多いです。

試験は平等で、結局やれば受かるし、やらなければ受かりません。効率化によって勉強時間を圧縮することは可能ですが、それでもやらないという訳にはいかないと思います。

さて、ここで「短期合格の条件」って何でしょう?

講師に聞くと殆どの方が「そうですね」という隠し条件に「素直なこと」があります。言われたことを素直にやる受験生です。素直だから必ず合格するとは言えませんが、短期で合格する人は素直な受験生であることは多いです。別に素直だからやりやすいとかそういうことではありません。言われたことを素直にやる受験生は、結局短期合格しやすいのです。

この条件ってあまり表には出てきません。それを例えばガイダンス等で直接言うと「俺のやり方についてこい」と言っている印象を与えてしまうためです。ただ講師というのはそれなりの受験生を見たり、試験問題を研究しています。だから、ある程度「のっかる」というのも非常に効率の良い作戦だと思います。

資格試験の指導と、医者は似ていると思っています。病気とは違いますが・・・回復を目指すのと同じで、合格を目指している訳です。医者の言うことを素直に聞く患者が病気が治りやすいのと同じです。また、治療方針が上手くいかなければ再度お医者さんに相談するのも同じです。勉強が上手くいかなければその都度相談するべきです。必要であれば処方箋(勉強計画)を出してもらうべきです。

受験生をこじらせず、早く合格をするのが一番です。