7月期限の講座

前にも書きましたが、WEB講座の「論文あてはめ定型文裏技講座」の受講期限が7月迄です。

前にも書きましたが、本講座自体リンク先の簡単な講座案内とは少し異なります。過去10年間に出題されている論点について、論点を細かくして解説しているものです。自分の講座で時々やる「ミニ答練」が88問からなる講座です。
先日も書きましたが、来年論文試験を受ける人は、まず秋〜冬にかけて論文答練で上位成績を取るのが目標です。また、夏ゼミと異なり秋のゼミは選抜試験があるところが殆どです。そのときに、最低限の論文が書けないとゼミにすら入れなくなります。

そのために、論文のレジュメを勉強しますが基本レジュメ(一行問題)だと冗長ですし、事例問題だと途端に難しくなります。本試験の過去問がガンガン書けるレベルの人は不要ですが「事例が書けない」という人には、細かい論点で学習するのが効果的です。

具体的な内容

一つサンプルとして説明します。「60.先使用権」からです。

甲は、2005年1月から「LECコーヒー」の名称で東京都中野区でコーヒー店を運営し販売している。甲の接客が特殊なことからたびたび雑誌等で取り上げられ、関東一円の一般的な需要者の間では広く知られている。
一方、広島県広島市において、「LECコーヒー」の名称で喫茶店を運営している乙は、2006年3月に商標「LECコーヒー」、指定商品「30類 コーヒー」として商標登録出願をし、2006年12月に商標登録を受けた。
乙は、甲に対して「LECコーヒー」の販売の差止めを求める訴えを起こした。甲は、乙の訴訟上の請求に対して、どのような主張をして争うことができるか。

定型文

商標「LECコーヒー」は、乙の出願前から現在に至るまで甲が役務「喫茶店」について使用し、関東一円の需要者間に広く知られるに至っている。
ここで、先使用権の成立要件としての周知性(32条1項)は、先使用地域での継続使用を認めるに過ぎないことから、一地方におけるもので足りると解される。また、甲が不正競争の目的を有していたとは考えがたい。
よって、乙の出願の際現に「LECコーヒー」が関東一円の需要者間に広く知られていれば、甲は、先使用権を有するといえる(同項)。
したがって、甲は、先使用権を有する旨を主張して争うことができる。

商標法において先使用権が問われた場合の書き方を説明しています。先使用権の基本レジュメは長すぎるため、事例にどのようにつ買っていいか解りません。また、事例になると他にも要件が複雑に入るので「先使用権」だけ学習することが出来ません(例えばこれはH−18の論点ですが、H−18の過去問から先使用権だけ拾って学習するのは受験生は難しいでしょう)。

すなわち、「先使用権」について、事例で使う場合のレジュメとしては上記の内容が書ければ十分です。また、テキストには問題文のヒントとして「出願前から使用、(一地方)周知」というキーワードを挙げています。問題文にこのようなキーワードが上がれば、先使用権のパターンを利用すべきです。
事例問題の場合、問題文からキーワードを抽出し、キーワードに対応する論点を素早く拾い上げる方法が有効です。そして、拾い上げたキーワードに対応するレジュメを組み立てることによって、一つの論文が出来ます。プログラム開発で言うところの、モジュール(部品)を組みたることで、一つの答案ができあがるのです。

だいたい平成14年以降の論文試験を調べたところ、一行問題の趣旨を除くと四法で88個の論点(部品)になりました。それをレジュメとしてまとめている講座です。なお、88個の定型文を書くための問題(答えありきの問題)にはなっています。例えば、上の問題も、実際問題として出題されたので有ればもう少し書くこともあるでしょう。したがって、本講座のレジュメは学習用のレジュメとして考えています。

いよいよ夏から論文試験対策をするけど、何を書いて良いか解らないという人にはお勧めです。