論文レジュメの考え方

今年も必須科目の論文試験が終わりました。これから来年の論文試験に受けて(当然短答試験も通過しなければならない人もいますが)新たなスタートを切る方も多いと思います。

さて、ここで「論文レジュメ」とはどのように考えているでしょうか?
論文レジュメを一生懸命覚えていますか?

ここで一つ確認をしたいことは・・・

「論文レジュメ」の内容を書かなくても合格する

ということです。

ちょっと考えて欲しいのですが、論文レジュメは「受験機関」が作成する「模範答案」です。すなわち「学習用」の答案なのです。「こういう問題が出たら、こういう論点を書きましょう」というのを学習用として作成します。少なくとも受験機関が作成するレジュメは「正解」=「100点」の答案です。

そうなると、みなさんは「100点」を取りたいのか?ということです。
例えば、ゴルフを始めた人がタイガーウッズのフォームをまねすれば良いスコアがでるでしょうか?
きっと、フォームをまねしても、タイガーウッズのようにスコアは出ないでしょう
この100点の答案をがむしゃらにまねるというのは、似たようなことをしているわけです。

更に、戦略的には各論点(問題)は配点以上の点数が入ることはないと考えた方が良いでしょう。例えば、配点が10点しかない論点の場合、どんなに丁寧に書いても10点しかもらえません。10行位必死に書いても10点です。逆に2〜3行でポイントしか書いて無くても、重要な要件を記載すれば5点分位配点がはいる事は考えられます。どちらが良いですか?というお話です。

このように、論文試験のレジュメは「どの論点を何処まで書くか」「何を落としても影響が無いのか」というのを考えながら使用する必要があります。論文が苦手な受験生や、答練の点数にばらつきがある受験生はこの点の戦略が非常に不得手です(そもそも、丸暗記に走る傾向があります)。

皆さんは合格したいのであって、模範答案を作りたい訳では無いと思います。「あっと驚く優秀答案を書きたい」という人は別ですが、「とりあえず合格出来ればよい」と考えている場合、レジュメを単純に覚えるというのは効率が悪い勉強となります。

今年はゼミも担当しますので、この辺の戦略についてもゼミでは話をしていきたいと思います。目標は「90点は取れ(ら)ないけど、コンスタントに70点前後を取る」という答案です。