10/7付けコメントに対する回答

10/7付けの質問に対する回答です。

現在、意匠の受講が終わったところです。特許で点数を上げないといけないので、特許を復習しながら次の講義へと進めている状況です。

配信から割と期間が短いのに意匠が終わっているということは、毎日見ているということでしょうか?
(受講配分等気になるところです)
入門編は速攻流すというスタンスで良いのですが、主要科目分についてはこれ問の落とし込み/確認を平行してやられるとよろしいかと思います。
ただ、意図的にペースは落とす必要は無いと思いますし、特許法をしっかりすることは大切だと思います。

第三者対抗要件と効力発生要件

もう一つのご質問についてお答えします。
受験している期間が長いと良く知っている話なのですが、初学者の方には難しい話だと思います。
結果として似たような話になりますので、言葉を意識すれば十分なのですが、ご説明しておきます。
なお、主な場面としては二重譲渡の場合の話が絡んできた場合です。

甲が乙から10万円受け取って、特許を受ける権利を乙に譲渡する契約をする。
その後、甲は丙から10万円また受け取って、特許を受ける権利を乙に譲渡する契約をする。

甲は2人に売ってしまったことになります。
物(動産)の場合は通常引き渡すのでこのような問題は起きません。
しかし、例えば不動産等は現物を引き渡さないので、このような事案が起きます。
特許権(特許受ける権利)も同様です。

第三者対抗要件(1項)

1項は出願前の話となります。第三者対抗要件ですので、乙と丙に譲渡する契約の効力は発生しています。
このとき、乙も丙も効力が発生しています(契約が有効です)。
それに対して、先に出願した方が、他の人に勝ちます。
乙が先に出願した場合、丙は「自分が権利者である」とは主張出来ません。
しかし、甲は第三者ではないため、甲に対しては主張可能です。
したがって、譲渡したときのお金を返せとは主張出来ます。

効力発生要件(4項)

4項の場合は「効力発生要件」ですので、出願後の場合は契約を結んでもそもそも「効力」が発生していません。
したがって、特許庁等は甲が出願人として考えているということです。
専用実施権が契約〜設定登録の間が、単なる独占的通常実施権者に過ぎないような関係と同じように理解してください。

条文の理解

これらの「法律用語」は当然条文を読んだだけでは解りません。
受験機関の講義で聞くか、法律用語辞典等を調べる等する必要があります。
勉強して間もない頃(とくにスケジュールを見るとスピードを重視している)のであれば、過去問(例えばこれ問)で問われているかを確認して頂き、後で戻って来るというスタンスを取るのが効率的にはよろしいかと思います。
(さすがに、こちらのサイトで総ての条文について解説を加えていくのは現実的ではございません)