「出願公開がされた」

前回ゼミではお話しましたが、問題文を読んだときに、キーワードから「何を検討すべきか」というのをある程度機械的に思い出せると項目落ちを防ぐことが出来ます。
例えば、問題に「出願公開がされた」という文言があったら、何を想定するかということです。

こういう言葉は、問題文を何気なく読んで終わる受験生は多いです。
しかし、出題者としては、意味が無くこの言葉を入れている訳ではありません。
この「出願公開をされた」という言葉に色々なメッセージが込められているのです。

例えば、出願公開が要件となる「補償金請求権」「29条の2」について、聞きたい場合があります。
したがって、まずこの点につきて記載出来るか否かを検討します。

次に、出願公開されることにより「新規性」を喪失します。
これにより、出願し直しという対応が取れないことを意味します。
また、他人の出願は29条1項3号に該当し拒絶となるわけです。

これ以外の裏要件として「1年6月が経過している」という点です。
したがって、1年6月が経過している以上、国内優先権を出題者は想定してないことになります。

確かに、公開請求をしていることも考えられます。
ただ、短答試験ならともかく、原則を考える論文試験では通常そこまで検討する必要は無いでしょう。
書けるのかも知れませんが、出題者が想定する答案の射程範囲からずれていることが殆どです。
(それを聞きたい場合は、外の箇所からもその点が読み取れるはずです)

夏ゼミでは割と規範当てはめをしつこく言ったつもりですが、秋ゼミでは「問題文の文言を使う」点を言っています。
問題文の言葉は、本来出題者側が「何かして欲しい」というメッセージなのです。
なので、それに乗っかって欲しいのです。

次回の答案作成時にもその点にご注意下さい。