分割するクレーム

ゼミ生から質問がありましたのでお答えします。
寝る前に急いで書いているので、乱文失礼。

請求項1、請求項2からなる特許出願Xの請求項1に進歩性無しの拒絶理由が来ました。
請求項2は拒絶理由がありません。
この場合、拒絶理由のない請求項2を分割してはまずいでしょうか?

という内容です。

この場合、請求項2に拒絶理由がありません。
従って、請求項1を分割出願し出願Yとします。
もとの出願Xからは、請求項1は同時に削除します(特施規30条)。

意見書には、「拒絶理由で指摘された請求項1は削除をした」と記載します。
そうするとことで、出願Xの拒絶理由は解消します。
請求項1については、出願Yで争えば良いのです。
(このとき、50条の2の通知が来ないように注意が必要です)

仮に、請求項2について分割出願Zをするとします。
この場合、出願Xから請求項2を削除します。
そうすると、出願Xの拒絶理由は解消していません。この後も意見書等で戦っていきます。
出願Zについては、審査請求をすることで特許査定にはなると思います。
しかし、新たに審査が開始される(1から審査が開始される)ので、迅速には権利付与されません。
すなわち、請求項1を分割したときと比較して時間がかかるのです。

「今までの審査を活かすこと」から、拒絶理由のある請求項について分割するのが原則です。
そして、原出願から問題のある請求項を削除して、拒絶理由を解消すれば良いのです。

これは商標登録出願でも同様です。指定商品A,Bがあり、拒絶理由が指定商品Aのみにあるとします。
この場合も、指定商品Aを分割すれば良いのです。

例外

ただし、商標における拒絶査定不服審判の審決取消訴訟時の場合だけ例外的な扱いとなります。
それは、訴訟中が補正が出来る時期ではないからです。

このときは、拒絶理由のない指定商品Bについて分割出願することとなります。
理由としては、補正が出来るタイミングではないため、原出願における削除補正が遡及しないためです(eAccess事件)。

この点はゼミの演習時に解説した通りで、かなり長い話になります。
今回は時間がないので割愛します。