論文試験における字

論文試験の答案については、自分は「仮に問題文の相談をクライアントに受けた場合、そのまま報告書で出せるレベル」が合格レベルだと考えています。
弁理士試験は幸い社会人の受験生が非常に多いです。
仮に、今答案に記載している文章を、お客さんに出せるか?という視点で見て頂けると「主語が無いな」「文章が雑だな」と色々気がつくと思います。
なので、その程度の文章は記載する必要があります。
これが内容面。

論文試験は「手書き」ですから、あとは「字」についての問題があります。
「字」については、誤解する人が多いのですが「上手」である必要はありません。
自分もそうですが、字が下手なのは下手ですから。
仕方有りません。

ただ、「読みやすい字」を書く必要はあります。
この中でも絶対に守って欲しいのが「字を崩さない」ということ。
キッチリ楷書でという訳ではないですが、明らかに崩した字というのは、かなりのマイナスです。

字が崩してあると、まず字の解読から入ります。
「これは・・・主体?これは・・・特許か?次は・・・本出?うん?なんだ?」
と、かなり時間がかかるのです。
これは、苦手な人が外国語を読むのに近いのです。
すなわち、単語・単語で解釈をするのは良いのですが、そうすると文章の意味が入って来ないのです。

字が雑だとまさにこの状況です。
一字一字は読むかも知れません。
しかし、何が書いてあったのかが解らないのです。
読み直すと同じ時間がかかりますし、結果として「書いてなかった」となります。

本試験は「試験」であり、「採点」がされます。
受験機関の答練や模試は、「講座」であり「試験」では有りません。
したがって、答案が返却されて「添削」されます。
だから、字が雑でもしっかり解読して、コメントを書きます。

時間が無いからとか、色々理由はあると思います。
しかし、字が雑だけでかなりのハンデがあると思った方がよろしいかと思います。
(点数的には10〜20点分位です)
逆に字が雑な人は、崩さないだけで+10点位になる訳ですが・・・もったい無い