質問について2

今日回答した内容(http://d.hatena.ne.jp/baba-p/20140501/p2)について、再度質問がありましたので、回答します。
質問について、総て回答するというスタンスでは無いのですが、今回の質問については、2015年向け受験生に知っていただきたい内容です。

ただ読むだけと言われましても、なかなか頭に要件と効果が残りません。人よりも記憶力がないのは自覚しているのですが...。
現在は、四法対照には、これ問の落とし込みと、過去問で問われた条文の要件と効果は色分けしてあります。上記のみを読めばよいのでしょうか?そうすると、過去問で問われたことのない条文が問われると対処できないと思うのですが、どうなのでしょうか?

結論から申しますと、この時期に、極端に違う勉強方法は出来ないということです。
実際勉強に使える時間が残り20日ちょっとしかないからです。

ご質問者の意図としては、「試験に受かるために何としてでも」というお気持ちであることはとても解ります。
しかし、前の質問で回答したとおり・・・勉強法を確立するためには、ある程度時間が必要です。
例えば、私がちょっとブログに書いて、「なるほど」と直ぐに解る内容であれば受験機関の講座(通年の講座も直前講座)も不要だと思います。

そもそも、スマートコースを受講して頂いているのであればお解りかと思いますが、自分自身「条文(の要件)を覚える」という教え方はしていません。
例えば、前のご質問は以下の内容をされています。

(特)180条の2は全部で1項から3項まであります。これらの条文を細かく、正確に読むには、どう読めば良いのか具体的に示していただけないでしょうか?

そもそも180条や、180条の2は、審取について長官が知っているのか?いないのかという話からスタートします。
その上で、180条の2は、特許庁と裁判所との関係との話です。
前提は「無効審判等当事者系審判は、長官が解らない」から、この規定があります(査定系であれば当事者ですのでこの規定は不要です)

そして、裁判所は専門官庁である特許庁に「この判断、どうなの?」って聞くことが出来ます。
ただ、終局的判断は裁判所なので、あくまで意見を聞く程度です。それが1項。
そして、特許庁側からも意見を言うことができる。
ただ、それについても裁判所が最終判断しますので、裁判所の許可が必要です。これが2項。
で、実際に長官は解りませんから、職員(審判官)に意見を述べさせる。これが3項。
このような規定になります。

これは条文を覚えるというより、ちゃんと背景を考え、そもそも「何故そうなるのか?」ということを考えて欲しい訳です。
そのことは、細かい条文を毎回説明できませんが、「理解すること」については講義では繰り返し伝えているはずです。
こうすることで、条文の暗記に走らなくて良いのです。

ただ、これを試験直前にやっても間に合うわけが有りません。
普段から条文を読んで、意味を考えて、「そもそも」何故その規定があるかを考え欲しいと話をしています。
そして、困ったらTwitterを含めて質問して欲しいと話をしてきたので。

たまたま今はこの条文を質問されていますので、これについてご回答しましたが・・・当然他の規定についても同じことが言えます。
しかし、全部説明する時間もありません。
また、過去問からの筋道も、どのように正しいのか否かも、今までの状況が解りませんので何ともお答えしようが有りません。
そして、仮にご説明頂いても、それを是正する時間は既にありません。

繰り返しになりますが、自分自身は「要件・効果を覚える」「条文を覚える」ということは極力お話していないと思います。
その為に「条文を考える」「過去問を考える」ということをやって欲しいとお伝えしています。
今からだと難しいとなれば、後は規定の趣旨を確認しつつ、内容を追って頂くことになります。

幸い、今年はゴールドWEB(こちら)で試験に出る範囲については、その辺の話をしています。試験に出るところは20回目までで話がまとまっていますので、今から1日4〜5コマを受講して頂くという荒技も有効かと思います。

残り少ないですが、勉強方法にブレが出てしまうのが一番良くありません。
四法にこれ問は落とし込みが終わっているということですので、可能な限り理由を考えつつ、条文を読んで頂くしか有りません。
そして、疑問点は飛ばし、テストが取れる知識を身につけるしかないでしょう。

さて、冒頭にこの質問について2015年向けの受講生向けとも書きました。
実は、このような質問は昨年も短答直前にもありました。
1年目の受験生は、「何とかなるだろう」という意識の元、気がついたら試験直前という事態になります。
そして、直前になって慌ててしまうのですが、このときは既にじっくり考える時期を逃しているのです。

必ず「条文を考える」ことを中心に、いつもお話している「そもそも」何故なのかという点を意識して下さい。