短答試験と論文試験との割合

来年「短答試験」を受験する必要がある人は、今の時期「短答試験」「論文試験」とのバランスが難しいと思います。

個人的な考えとしては、現在の試験制度を考えると、もう「短答試験」「論文試験」という分けて勉強を考えること自体が少しナンセンスと感じてます。

それは、カレーとシチューとの作り方の違いのようなイメージです。
本格的に作る方は別として、ルーを用いてちゃちゃっと作る場合。
カレーもシチューも途中までほぼ同じように作る事ができます。
そして、最後の最後で「カレールー」を入れるか、「シチュールー」を入れるかで出来るものを変えることができます。

弁理士試験も同じです。
産業財産権」の勉強をすることを意識しつつ、あとは「短答試験」「論文試験」の勉強のスパイスを最後に加えるということです。
もう「短答試験」「論文試験」と意識せずに、「口述試験」まで含めた包括的な勉強をするのが効率が良いと思います。

そうはいっても、「短答試験」「論文試験」について、それぞれ特有の勉強法が必要です。「短答」「論文」は別物だから!と考えるのも解ります。

この場合、優先度は「短答試験」>「論文試験」でよろしいかと思います。
理由としては、

1.論文試験の範囲(条文)では短答試験の範囲(条文)はカバーできない。
2.短答試験を突破しないと論文試験が受けられない。
3.短答試験の難易度が上がっている。
4.科目別基準点(科目別合格最低点)が導入される可能性がある。

からです。

短答試験の勉強では論文試験がカバーできないと考えている人は、短答試験の勉強方法に問題があるところです(論文試験に耐えうる勉強をすべきです)

あと、会社や事務所の合格者(弁理士)から勉強法等の意見を聞くこともあると思います。以前のように短答試験が難しく無い時代は「論文の勉強をしておけば、短答試験なんか何とかなるよ」と考えられていました。

しかし、短答試験がこれだけ難しくなると、その考え方も古くなりつつあります。
「論文試験は書けるのに!」って受験生が、短答試験で上手く点数を取れず論文試験に進めないということが昨年から多くなっています。

とくに来年は科目別合格最低点が導入される可能性があります。下三法についてもキッチリやらないと「合格できない」という事態になります。

今から短答試験の問題を解く必要はありません(解くべきではありません)
しかし、短答試験を意識しつつ勉強をすることは大切だと思います。
論文を意識しすぎると、短答の範囲をカバー出来ないからです。

年内はペースメーカーとなるような講座を取りつつ、条文の知識をしっかり固めるべきだと思います。