意匠法3条、3条の2、9条

色々と混乱している人が多そうなので、この辺の条文の考え方を書いておきます。

まず、意匠法も創作ですから、新しいデザインを保護するという考え方が原則です。
したがって、出願意匠が、新しいかどうか?というのを見てあげます。
これが3条1項のお話。
ただ、意匠は「類似」の範囲も含まれるので、3条1項1号、2号に加えて3号の要件も判断します。

次に、同じ意匠ではないけど、やはり新しくない!って意匠があります。
典型的なのは、自動車をそのままミニカー(玩具)にしたような場合です。
このようなデザインは保護する価値がありませんので、拒絶します。
すなわち3条2項に該当するか否かです。

さて、新しくない意匠は拒絶するという考え方は良いと思います。
ここで、新しくないけど、他の人が出願してしまった意匠と同一(類似)だったらどうでしょう?
意匠権は独占排他権です。権利者は一人だけ。
したがって、同じ意匠を出願した人は認めませんよ!って話が出てきます。
これが9条です。まだ公開されていない意匠だけど、他人と権利が重なるのはまずいから拒絶しますよってことです。
権利がぶつかるので、当然「物品」「形態」とを見て判断します。

そして、最後に今までの要件は全部問題無い。しかし、先願意匠にもう含まれてる!って場合。
この場合は3条の2に該当します。

当然この順序で判断されるという訳でも無いのですが、考え方としては以上のように考えることで
少し整理できると思います。