想定の上をいく訴訟

試験のために色々と勉強をしますが、実際は想定しえない事も事実ではおきます。

例えば、最近の判例で変わったものといえば、平成26年(ワ)第15374号があります。

こちらは、元々特許権が(旧)異議申立制度において、取消されたところから始まります。
(それ以外にも色々あるみたいですが、当該事件だけここでは扱います)。

異議申立の取消決定ですから、審決等取消訴訟で争うことになります。
ここでも特許権者側は負けてしまいます。
論文だったらここで記載が終わるのですが、特許権者あきらめきれません!

あきらめきれませんので、更に不服を申し立てます。
まず、異議申立の取消について、審決等取消訴訟とは別に無効確認の訴訟を起こします。
当然認められません。

次に、「審判官がわざと取り消した!」と主張し、国家賠償法に基づく損害賠償を請求します。
これまた、認められません・・・

更に、審判長がずるしている!として、審判長(と国)相手に慰謝料の請求をします。
これまた、認められません・・・

しかし、あきらめきれません。
また、同じ主張を裁判でします。
何度も、何度も繰り返し主張していきます。
とても重要な特許だったのでしょう。
特許権者側は「この特許があったら、15億円の利益はあった!」と主張する位です。
裁判所にダメと言われても訴え続けます。

その回数、今回の裁判で何と12回目。
根気よく同じ事を主張していきます。

結論は・・・想定ができると思いますが・・・

原告は,本件取消決定の違法を主張して本件被告(国)に対する損害賠償請求訴訟の提起を繰り返しており,本件訴えも,これら前訴の実質的蒸し返しであり,信義則に反し,かつ,訴権の濫用に当たる不適法なものであることが明らかである。

です。

さて、あと何回続くのでしょうか?