制度の違い

ご質問があったのでお答えします。

パリ優先権や新喪例については、特と意との違いとして意識しておくべき項目(〜差別化ポイント)を教えて頂けますか?
以下は、特と意の対比(僕の理解できていること)。
(略)

後半省略してしまいました。
入門生ならともかく、学習経験者であれば、このようなまとめ方(抽出作業)をしたらほぼ間違えがありません。
実際質問者の書いていることもあっていると思われます。
質問することで整理出来るのであればよろしいかと思います。
ただ、自分としては「良いのでは?」と、話が終わってしまいます。

短答解法コースや、スマート攻略コースでも良く話しをしていますが、条文・制度はまずは「ざっくりとらえる」ということが大切です。
「細かい要件をおさえる」ことは勉強している感じにもなりますし、実際「やりきった」感があります。
しかし、その学習方法は本質的では有りません。
この学習法は、全ての要件・差異点を「暗記する」学習です。
また、これを試験までに覚えることを維持しなければいけないことを考えるとかなり厳しいものがあります。
更に、論文試験であれば、条文見れば要件は上がっている訳ですから、まとめなくとも何とかなります。

かろうじて、このような細かい要件を学習するとしても、短答試験直前にやれば良いだけの話です。
多くの受験生が、短答試験の勉強をすると、このような学習法になりがちです。
しかし、もう少し本質的な違いを見ていくことが大切です。

例えば、特許法と意匠法との優先権の違いって何でしょうか?
それは、優先期間が特許が12ヶ月であり、意匠が6ヶ月ということです。
まず、これが一番重要です。

「当たり前じゃん!」

この当たり前が重要なのです。

では、意匠の優先期間が何故短いのか?

という話に繋がります。
それは、意匠はデザインであり、ライフサイクルが短いためです。
したがって、早く権利結果を知りたい訳です。だから早期決着。
(その他にも各国とも意匠は権利期間が短いという事情もあります)

言われれば「あーそうか」となりますが、実際にこういうことを考えているか否かです。
単純に覚えていて、更に手続を羅列して見ているだけではないでしょうか?
まず、器を作らないと本当の力はつきません。
器に入れるものなんて、整理しやすい器があれば、最後に入れれば良いのです。

細かい規定を追うのではなく、もっと大きな箇所から条文を理解することが大切です。