外国語書面出願における翻訳文の取扱いについて

外国語書面出願における翻訳文の取扱いについて、割と頻繁に質問を受けます。
手続をする上で、「翻訳文」を出す必要があるか否かで混乱するようです。

ここで混乱する原因としては、全ての事項をフラットで押さえているというからという理由があります。
すなわち、項目が6個あったら全部同じように考えてしまうのです。
(表で整理したりすると、このような弊害が生じます)

まず、規定については「原則」を押さえるべきです。
ここで原則は外国語書面(明細書等)の「翻訳文」が我が国の明細書等になるということ。
翻訳文がなければ明細書が無い状態になります。
したがって、原則「翻訳文がなければ」手続は出来ません。
これが原則です。ま
繰り返しになりますが、まずは原則をしっかり押さえる。

そして、例外があります。
例外は、「翻訳文無ければダメなんだけど・・・どうせ元の出願なくなるから、出さなくても良いよ。」
という規定です。
そもそもみなし取下げになることが解っているものに対して形式的に「翻訳文を出せ」というのはかわいそうだからです。

したがって、みなし取下げとなるもの、すなわち「国内優先権」「変更出願」については翻訳文不要なのです。
この2つが例外なのです。
この関係をしっかり押さえないと、「分割出願は?」となってしまいます。
(分割出願は、原出願が取下げにならないので原則通りです)。

なお、もう一つ例外的に審査請求があります。
審査請求についても翻訳文がなくても手続が出来ます。
これは、審査請求は審査の請求をするだけで、審査官は審査をしなくてよい(待ってればよい)からです。

さて、手続は上述の通りですが、あくまで出願当初開示される範囲は「外国語書面」です。
したがって、色々な規定や手続は、翻訳文ではなく、外国語書面を根拠に判断されます。