案文確認

今日は仕事のお話。

明細書を初めとする出願書類や、意見書等の中間書類をクライアントに送ると、細かくチェックされる人と、大まかしか見ない人がいます。

自分は、細かく見てもらって色々と言われる方が有り難いです。
自分としては、考えがあって案文を作っています。
自分の中のルールとして、全ての記載に理由をつけています。
「何となく」ではなくて、「こういう理由だからAという記載にしている」と理由があります。

だからこそ、色々と検討してもらえるのは有り難いのです。
逆に、何もなく「それでお願いします」と言われると、ちょっと不安だったりします。
(といっても、信頼してもらっている場合もあるので一概には何とも言えません)

また、修正が来ると「面倒臭い」と思う人がいるようですが、それは違うと思うのです。弁理士は職人気質なところがあるので、修正されると「理由があってAにしてるんだよ」と反発する弁理士・特許技術者もいます。
しかし、我々弁理士は代理人です。
事情を説明しても「Bという記載が良い」と言われれば、そこはBで記載すべきです。
この場合、もともとAで記載していたので、何故Aが良いと思っていたのかは、説明した方が親切だと思います。


さて、修正というのは「より良い発明にする」プロセスなので、それ自体は良いことだと思っています。
とはいっても、正直に言うと・・・困る修正依頼もあります。

自分が一番困るのは、根本から変わってしまう修正です。
抽象的に「こんな実施形態を、第1実施形態として入れて欲しい」「それに基づいて全体を見直して欲しい」という修正依頼。
明細書はストーリーがあって、打合せや提案書の内容に従って作っています。
これ、一番最初の実施形態に違うのを追加した上で、全体を見直すとなると、全ての流れが変わることが多いのです。
建物で言えば、殆ど土台の修正になるので結構大変なのです。

ただ、これも8割は明細書作成側に原因があることが多いと思います。
したがって、そうならないよう防ぐ手段は講じているので、滅多にそうなることはありません。

しかし、案文を作ったことで発明者が思いついてしまった!場合があります。
この場合は、こちらで防ぐことは出来ませんでしたので、修正に応じることとなります。結果として、良い発明になってくれていればこちらとしても嬉しい限りです。
(と言いつつ、やり取りを何回もした後だったり、明日出願というタイミングで言われたりすることもあります。そうなると「早めに言ってよー!」って気持ちがちょっとだけあったりします)。