似て非なるもの

いつも話をしておりますが、試験直前になってきたのでもう一度。

「答練」「模試」と「本試験」とは似て非なるものです。
したがって、「答練」「模試」の点数が悪いからといって、本試験で点数が取れない訳ではありません。
これは短答試験に限らず、論文試験においても同じです。

一つは問われ方にあります。
本試験は本試験なりの切り口があります。
模試等の切り口はまた少し違っています。
したがって、過去問をキッチリ勉強している人(本試験に照準を合わせていると)、模試等で点数が取れないといった場合もあります。

次に試験の目的があります。
本試験は「選抜」をするのが目的です。
所定の実力以上の人を合格させることを目的としています。
例えば、出来る人は満点となっても問題有りません。

それに対して、模試は「力を測る」のが目的です。
その結果、通常は模試では「満点」が出るレベルには作りません。
これは、同じ60点でも、ギリギリ60点なのか、70点位の実力があって60点なのかが解らなくなるためです。

従って、満点を取らせないために、あえて「難しい問題」を入れます。
模試等ではかなり細かい問題(条文の一部を変えたような問題)が出ることがありますが、本試験ではあまり出なかったりします。
本来であればそのような問題は不要ですが、すごい良く出来る受験生がいるために、出題されています。

したがって、そういう問題は「実力だめしの問題であって、合否には影響していない」という点を理解する必要があります。

結局、過去問も模試も「条文を確認するツール」です。
単純に条文を素読するのでは大変だと思いますので、過去問で出てきている条文、模試等で問われた条文を確認するのです。
確かに解説を読めばそれで解るかも知れません。
しかし、キッチリ条文を読むことが、本試験対策としては重要なのです。

過去問でも、模試でも「条文を読む」という作業をどれだけサボらないで実行したかが合否を分けます。
特に試験直前であれば有るほど重要です。

今週から大型連休が始まりますが、「条文を読む」という点を心がけて勉強を続けてください。