22−60−2について

質問があったのでお答えします。22−60−2についてです。

前置審査において、拒絶査定不服審判の請求と同時にした補正が、特許法第17条の2第3項の要件(いわゆる新規事項の追加の禁止)を満たしていないとき、審査官は、審判請求の理由から見て当該補正を却下すれば特許をすべき旨の査定をすることができると判断した場合には、決定をもってその補正を却下しなければならず、当該補正を却下したとしても特許をすべき旨の査定をすることができないと判断した場合には、上記要件を満たしていない点を理由として拒絶の理由を通知しなければならない。

質問は以下の通り。

22-60-2。前置で拒査服審判と同時に行った補正が要件を満たしていない時、審査官は拒絶理由を通知をすることが「できる」のであって、「通知しなければならない」わけではないのは、50条の時と違い「拒絶査定をしようとしていない」から?
前置審査で拒絶理由通知ができることまでは理解したものの、50条準用だと思ったとたんに、「できる」じゃなくて「しなければならない」だったような気がし始めて...何度もすみません。

質問者は強行規定か裁量規定かで枝の正誤を判断しているようですが、そもそも前提条件が違います。

今回の場合、審判請求時の補正が不適法です。
したがって、この場合は補正を却下→(前の補正に戻る)→拒絶査定という流れです。
しかし、前置審査ですので、審査官は拒絶査定が出来ません。結果として長官報告となります。
審判請求時の補正は最後の拒絶理由と同じ制限がかかります。
拒絶理由通知がされる場合は、審判請求時の補正により拒絶査定(拒絶理由)が解消したが、新たな拒絶理由通知を発見した場合です。

163条2項において、50条は「審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合」に準用されております。
しかし、163条1項において、53条も準用されているため、補正が不適法であれば補正が却下となり、そもそも審判請求に係る査定の理由と異なる拒絶理由となりません。
したがって、本問の場合、拒絶理由が通知されることはありません。