商33条の2について

質問があったのでお答えします。良く受ける質問です。

商33条の2の通常実施権は承継した者には権利が認められません。一方、抵触から派生する他の法域の通常実施権特81、意31では移転が認められています。この違いはどのような趣旨からきているのでしょうか?

そもそも他法域と比較することが間違っています。
頻繁に話をしていますが「商標法は別の法律」です。
商標法と他の法律を比較して理解することは、商標法が苦手となる原因の一つです。
「たまたま同じ」であることはともかく、違っていて当たり前です。

例えば、商標法の場合は他の法域と異なり「使用権」ではなく、「商標の使用をする権利」であることを確認して下さい。
これは、使用権としてしうと、第三者が禁止権の範囲を使用している場合に、成り立たなくなるためです。
したがって、例えば「使用権」であれば出来ることが商標法では出来ません。
(業務を承継した者に認められることも商32条等にわざわざ書いているのはその理由です。)

ということで、これは別である点を認識して下さい。
商33条の2は、周知性も不要ですから、そこまで保護する必要も無いという意味もあります。

なお、本規定について、趣旨ではない理解の仕方はあるのですが、正しいものではないので、ブログで書くのは遠慮しておきます。
(講座でも話をしていたように、講座実施中であれば、講座内で対応出来たのですが・・・)