特許要件の判断

17条の2第4項について質問があったので少し補足しておきます。

特17条の2第4項の「特許をすることが…についての判断」とは「新規性・進歩性等の特許要件についての判断」と青本にあり、講義でも先生は「新規性・進歩性だけ、36条等は含まない」と仰ったのですが36条は特許要件ではないから、ですか?「等」が気になっております。

審査基準によると、以下のようになっています。

この章でいう「拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明」とは、新規性(第29条第1項)、進歩性(第29条第2項)、拡大先願(第29条の2)、先願(第39条)についての審査がなされた発明を意味する。

それを踏まえて、講義では36条違反については入りませんねという話をしています。

ここで流してもらえれば良いのですが、「拒絶理由通知で36条違反だけであればOKですか?」と深みにはまってしまうと、実は素直に回答出来ません。
それは、この部分は実は正確な話をしていないからです。

そもそも、拒絶理由通知が「36条」のみであったとしても、「特許要件が判断された上での36条違反」の場合と、「特許要件が判断されていない36条違反」があるからです。記載不備が大きく、特許要件が審査出来ないときは、その旨が拒絶理由で書かれます。

ただ、この点は試験にも影響しないため、深入りすべきことではないと考えて説明をしていません。

実際普段の講義やブログの解説でも「わかりやすさ」を優先させているときはあります。
試験で問われ無いような規定を細かくやっても、効果が薄いからです。

個人的には、「その線引き」が受験生は解らないと思いますので、ご質問頂くことは大切だと思います。
ただ、「そこまでは不要ですよ」とお伝えしたときは、あっさり考え方を切り替えて頂いてよろしいかと思います。