27−14−3

さて、質問があったので、お答えします。
27−14−3についてです。

外国語書面出願の出願人が拒絶査定不服審判の請求と同時に誤訳訂正書を提出してしたその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書の補正が、外国語書面に記載した事項の範囲内においてされていないものと認められたときは、審判官は、そのことを理由としてその補正を却下する場合がある。

さて、まず「補正却下する場合があるか?」という問題なので、最後の拒絶理由通知等の場合を考える必要があります。
(最初の拒絶理由通知であれば、そもそも補正却下にはなりません)

そして、補正却下にするためには、17条の2第3項〜第6項に該当する場合だけです。
この補正却下は「審査の無限連鎖を断ち切る!」という感覚です。
すなわち、「新たな拒絶理由を通知しなくて良いパターン」を、上記条文に例外的に決めている訳です。
で、「最後の拒絶理由」のとき、17条の2第3項〜第6項に該当したときだけ、補正却下の必殺技が使える訳です。

さて、問題文では「誤訳訂正書」を提出して補正していることが記載されています。
「誤訳訂正書」を提出すると、そもそも17条の2第3項については、判断されません。
したがって、3項違反を理由には補正却下になる場合は無いのです。
これがLECの過去問の解説です。

さて、ではこの出願はどうなるのでしょうか?
原文の事項を超えてしまっているので、これは認める訳にはいきません。
この場合は、49条6号違反の拒絶理由が通知されます。
これが原則だからです。
これ問の解説はこの結論のみを書いています(LECの解説のチェックの部分です)

審査・審判の扱いはかなり難しいです。
入門生であれば、今の時期に理解出来ないのは当然だと思って下さい。
逆に解っていることが例外です。

よく自分はガイダンスで「弁理士受験生が点数を取れないのは、勉強が出来るからこそ点数が取れない」とお伝えしています。
解らなくても大丈夫なところで、今までの自信から「解るはず!」と思ってはまってしまうパターンが多いのです。
確かに、解らなくてもいいという訳では無いのですが・・・審査・審判は数年勉強されている先輩受験生もみんな苦労するところです。
1年目の人がいきなり解るようになるというのは、かなり例外に近いと思って、気楽に勉強を進めて下さい。