意匠審査基準改訂
先日から「「意匠審査基準」改訂案に対する意見募集」が特許庁のWEBで始まりました。
いわゆるパブコメです。
パブコメに基づいて大きく変わることはないので、今回の改定案で意匠審査基準が運営されることになると思います。
今回の改訂の主なポイントは、
- 図面の記載要件の最適化
- 全体意匠と部分意匠の関係の運用変更
- 一物品・一意匠の考え方の明確化・運用の見直し
です。
とくに気をつけなければ2点目の全体意匠と部分意匠との関係が見直されることです。
(1)願書の記載項目としての「【部分意匠】」の欄の廃止
(2)今後は、全体意匠と部分意匠との間でも、先願(意匠法9条1項)、協議指令(同9条2項)、関連意匠(同10条1項)の規定の適用の判断を行う
今までは、全体意匠と部分意匠との間では9条の適用がありませんでした。
それが、今後は9条で拒絶理由となります。
短答試験の問題が全て変わってくる大きな改訂ポイントです。
また、部分意匠の欄についても、論文では記載すると思いますが、こちらも不要になる方向です。
さらに、
(1)「意匠に係る物品」の欄の記載について、形態や材料についての補足的な言及がある場合でも、意匠に係る物品の区分と実質的に同程度の記載と判断できるものについては、柔軟に取り扱う
(例)今後拒絶理由の対象としないものの例 「赤色の花瓶」、 「円形テーブル」
(2) 一物品の考え方について、複数の物体からなるものの場合、それら全てが一の特定の用途及び機能を果たすために必須である場合に加え、必須とはいい得なくとも、一の形態としてのまとまりや、製造・使用・流通時の一体性があれば、それらも補完的に考慮して判断する旨を明確化
(3)意匠審査基準上限定していた組物の意匠の構成物品は、社会通念上同時に使用される物品の範囲内で、出願人の任意とする。
特に組物意匠の物品が変わることは、試験にも影響が大きいと思います。
時期的には来年の短答試験までに運用が開始される可能性は高いと思います。
試験直前まで、情報に注意して下さい。