特許法9回、10回

最近演習講座がちょこちょこあったのですが、久しぶりに両方とも講義の日でした。

9回目

主に実施権について。と言うより実施権しか出来なかった。
実施権で最も重要なのが、先使用権です。先使用権は法定通常使用権なのですが、「抗弁権」としての性質が強い権利です。職務発明に関する通常使用権等、本来の通常使用権(許諾による通常使用権)に近い性質のものもあるのですが、79条は抗弁として用いられる権利です。

短答試験の勉強から初めてしまうと、この辺の「感覚」が落ちてしまいます。感覚はすごい重要で、知識としては解っていても自分のものになっていないと論文等の記載が微妙におかしくなります。

10回目

主に審判について。あとは178条(審決等取消訴訟)でした。
審判制度は2つの大きなもの、拒絶査定不服審判と無効審判とが重要になります。
その中でも拒絶査定不服審判はそれほど難しく無い(前置審査の扱い位)ですが、無効審判は手続が複雑です。短答試験になると当然細かい話も出ますが、まずは流れが頭に入ることが大切です。無効審判は「当事者対立構造」であること、すなわち喧嘩してるってイメージがあると、理解が早いと思います。

審決等取消訴訟は、特許庁の扱いと裁判所の扱いが違うという点がまず感覚として入るかどうかです。「特許査定」としたり、「特許を無効とする」ことは、行政庁である特許庁の仕事です。

「よしよし、おぬしに特許権を授けてやろう」

というのは、お役人にしか出来ないのです。時代劇でいうなら代官です。代官のやったことが悪いことだと、水戸黄門が登場して成敗されます。黄門様は「年貢を取らない」ことを決めるのではなく、悪代官をやっつける=代官のやったことが悪い!と言うだけです。黄門様がいちいち「年貢を取る」とか決めていたら、全国回る暇がありません。

と、微妙に解りにくい例ですが、そんな感じです。