流れを大切に

論文の答案を書いているときに、「流れ」を大切にしましょうとよく言います。「流れ」が無い答案は読んでいると「うん?」と止まってしまいます。この「流れ」というのは、文章がつながっているかどうかです。

例えば、

「甲は出願Aを実施しているので、侵害とはならない」

て書いてあって、解るか?という話です。どんな問題か解らないからこれが正しいかどうか解りませんよね。まさに、これです。問題と併せて読まないと文章がつながらないという答案は多いです。そもそも「出願Aを実施」という言葉もわからなかったりします。

「甲は、出願Aに係る発明イを乙の出願前から実施しているので、侵害とならない」

これで良くなりました。しかし、

(1)甲は、出願Aに係る発明イを乙の出願前から実施しているので/(2)侵害とならない

の、(1)→(2)のつながりがまだよくありません。書いている人は脳内で文章が補完されているだと思いますが、読んでる方は正確には伝わってこないのです。

「甲は、出願Aに係る発明イを乙の出願前から実施しているので、先使用権を有しており、侵害とならない(79条)」

まで書けば、ほぼ良いんでしょう(あとは、細かい先使用権の要件等に当てはめていきます)

論文試験は当たり前のことを当たり前に書く試験です。「わかっていること」を文章にするのはかなり難しいと思います。ただ、最初は誰も出来ないのですが、練習を重ねていくと段々と出来るようになります。