独立特許要件(質問の回答)

ご質問があったのでお答えします。

p.109の12番、解説には、独立特許要件のことが持ち出されているのですが、問題本文を読む限り、どこにも該当する条文は書かれていないように思います。。
問題分のどこから、類推すればよいのでしょうか?
なにか、こつのようなものが、あるのでしょうか?

まず、問題文に「特許出願人が最後に受けた拒絶理由通知の際に」とありますので、今回の補正が最後の拒絶理由通知に対するものである事が解ります。最後の拒絶理由通知に対する補正の場合、17条の2第3項、第4項に加えて、第5項、第6項の要件を満たす必要があります。これは、5項に「前二項に規定するもののほか、第1項第3号等において特許請求の範囲について補正をする補正は、次に掲げる目的をするものに限る。」と記載があるためです。
更に6項で「前項第2号の場合に準用する」とありますので、5項2号の限定的減縮の場合は、6項の補正要件を満たして下さいという意味になります。

6項を見ると、126条第7項の規定を準用するとなっています。この126条第7項の規定が「独立特許要件」と言われるものです。すなわち、「補正をしたのであれば、他の拒絶理由が新たに発生したらダメですよ」という規定になります。

仮にこの規定がないと、新しい拒絶理由が発生した場合は、再度拒絶理由を通知しなければなりません。そうすると、それに対する応答の機会がまた発生し、迅速に審査が行えません。したがって、こういう場合は「補正を却下する」扱いになります(補正を却下することにより、補正前の状態になります。したがって拒絶査定が行えます)。

したがって、質問の答えは、「特許出願人が最後に受けた拒絶理由通知の際に」とありますので、今回の補正が最後の拒絶理由通知に対するものである事が解り、そこから17条の2第5項、第6項の話を考えます。更に、6項は2号にのみ適用ですので、問題文の4号を目的とする補正の場合は独立特許要件はみないため「×」となります。