ご質問について

昨日の日付のブログにご質問がありましたのでお答えします。

以前のブログでの先生のコメントに短答の解き方として、筋道を立てるという内容がありました。今は、過去問や答練で筋道を立てるやり方の練習をしています。でも、問題文のどこをスタートにして筋道を立てていけばよいのでしょうか?やはり、文末からでしょうか?

どの程度伝えられるか解りませんが、過去問を読む(解く)ときに、自分なりに「納得」したりすることが必要という風に考えています。ただ、これは全問やると確かに大変なので、よく間違える問題だけでもよろしいかと思います。

例えば、今自分が過去問をぱっと適当に開いたら、20−24が出てきました。

(イ)特許出願後における特許を受ける権利の相続により承継については、必ず、特許庁長官に届け出なければならない。

これの解説は34条5項であり、例外がないためと記載されています。なるほど・・・で終わって欲しく無いということです。
何故34条5項はこのような規定になっているのか、そもそも届け出ないとどうなるのか?なぜ、届け出が効力発生要件ではないのか?ということを考えて条文を理解してはということです。
そうすることによって理解が深まるということでうs。

また、やっていて思ったのが、筋道を立てるのも条文を暗記していないと間違った結論を導いてしまうということです。条文の読み込みも始めようと思いますが、すべての条文の要件と効果の暗記はとてもではないですが出来そうにありません。特39条だけでも7項まであります。問題文の文言から推理するのがベストでしょうか?

39条の話が出ましたので、39条で考えますが・・・そもそも39条の規定が何の規定か?ということです。39条は?といわれて、一言で表現できるかということです。

これは、一言で言えば「ダブルパテントの防止」です。ここで「そうだよ」って流してしまうと力がつきません。「何の規定ですか?」と聞かれる前から「あーダブルパテントの・・・」と出てくる位が本来は良いのです(これが、普段から考えていると出てくるようになります)

次に、ダブルパテントですから、異日と同日とで話が分かれてきます。また、特許法と実用新案法との関係も、保護客体が同じですから判断材料となります。すなわち、

異日or同日→1項or2項

であり、特許と特許、特許と実用新案によって、更に条文が増えます。

特許との異日or同日→1項or2項
実案との異日or同日→3項or4項

ただ、同日の場合、いきなり両方との登録にならないのは酷だよね?ということで、協議という制度が設けられています。

同日出願の協議→6項or7項

そして、比較する対象の出願ですが、比較しなくて良い場合が出るよね?って規定が5項です

先願の地位→5項

ここで大切なのは、上の考え方、思考の流れであり、何項に何が書いてあるかではありません。実際、弁理士に「同日出願の協議って何項ですか?」といきなり聞いても、正しく言えない人が大半だと思います。
しかし、「どういう扱いになるのか?」と聞いて答えられない弁理士はまずいません。39条の条文の要件・効果を覚える以前に、まず流れをしっかり理解するという事が大切です。

と、少し長くなったので、また続きは後日書きたいと思います。