この時期の論文試験の学習法

短答試験を受験された人にとって論文試験(必須科目)の間は一ヶ月しかありません。一ヶ月なんてあっという間に終わるのでこの時期にやる勉強はすごい重要です。多くの受験生や合格者が、「この1ヶ月が一番勉強した」と詰め込む期間でもあります。

短答試験受験組の有利な点は条文の知識が網羅的に入っている点です。この点は短答免除組に比べて大きな武器になります。しかし、欠点は「書き方」を忘れてしまっている(筆力が落ちている)点です。したがって、論文の感覚を戻すことが重要です。

筆力について

論文試験からしばらく離れていますから、当然筆力が落ちています。今年初めの状態に戻す必要がありますので、全文書きを定期的にやって下さい。毎日1通はやり過ぎですが、それなりの量は書いた方が良いともいます。

一番良いのは受験機関の論文直前模試や論文直前答練を利用する方法です。答練、模試については受験して採点結果はあまり気にしなくて良いと思います。ここで気にするべき点は「論点を拾えたか」「時間内にかけたか」です。もっとも回数が短いものでも良いと思いますので、何か受講された方が良いと思います。

一行問題対策について

重要なのが一行問題の対策です。定義・趣旨について回すようにして下さい。一行問題はある程度準備していないと書けません。このとき、キーワードを拾いつつ、結論から押さえるようにすると効率が良いと思います。
以前も書きましたが、論文試験のコツは「貪欲に、欲張らない」で書くことです。論点は貪欲に広く拾っていく必要があります。しかし、一つ一つの論点はあまり欲張らずあっさり書いても合格します。逆に多く書きすぎるとバランスが悪くなる可能性があります。

意匠法は必須、商標法も勉強すること。最近は特許法においても趣旨を問われる可能性が高くなっていますので要注意です。

事例問題について

併せて事例問題の対策を行います。事例問題は「答案構成」+「ブロックの構成」です。まず、答練の問題、過去問等を使って答案構成ができるか否かをしっかり確認して下さい。答案構成は戦略図です。ここで失敗すると、合格点がつきません。必ず「貪欲に」多く論点を拾うようにして下さい。迷った論点は、書くリスクより書かないリスクが高いです(書かなければ絶対点数にならない為)。
迷ったら論点は拾って書くようにしましょう。併せて、答案構成ができたら、項目(ブロック)毎に記載すべき内容を押さえて下さい。例えば、商標について「先使用件」について論点を上げた場合、何を書くかというのが自動的に決まるというやり方です。
問題毎のカスタマイズは必要ですが、ある程度のブロック(固まり)を押さえて書くことにより、まとまりが悪くても必要十分な記載があるため点数がつく答案になります。

論文試験は「論文」ですが、同時に「試験」です。効率良く点数を取るために記載すべき事項を整理していきましょう。