質問の回答

昨日質問がございまいたので、回答します。

特許法29条の2の「当該特許出願」と「他の特許出願」は、「当該特許出願」が後願で「他の特許出願」が先願というように理解しています。

よろしいかと思います。29条の2は審査対象となる出願が当該特許出願(条文の一番最初に出てくる「特許出願に係る発明」)だからです。

ここで、特許法50条の2の「当該特許出願」も「他の特許出願」も特許法29条の2と同じと理解すればよいのでしょうか?
それとも「当該特許出願」は分割出願で「他の特許出願」は元の出願と理解するのでしょうか?

こちらも同様です。当該特許出願=分割出願と考えて問題無いと思います。

特許法17条2項により外国語書面出願及び外国語要約書面は補正ができません。∵外国語書面出願は、出願日における発明の内容を記載した書面としての位置づけを有するものであり、その後の補正により記載内容が変更されるのは適当ではないからとあります。しかし、特許法44条の分割では、翻訳文を提出した後でなければ分割できないことになっています。∵翻訳文提出前は、分割の対象となるもとの出願の明細書等が存在しないこととなるからとあります。
ここで質問です。外国語書面出願は、出願日における発明の内容を記載した書面としての位置づけを有するものならば、翻訳文を提出していなくても分割のもとになる明細書等があることになりませんか?

翻訳文が我が国の明細書等となります。したがって願書のみを提出し、外国語書面を提出している段階では、まだ明細書等が存在しないため、日本の特許出願として体を成していない状態となります。
あくまで外国語書面は参考程度であって、明細書ではないからです。従って補正も出来ません。

分割出願において、外書だけでも分割しても良いのではないか?と思われますが、確かに良いと思います。
しかし、ルールとして、日本語の明細書が我が国における特許出願に係る明細書と決め、明細書がなければ分割出来ないと決めているのです。

実際、外書Aから外書Bを分割してしまうと、AとBとの同一性の比較を外国語で見なければいけないので、みんなの負担が大きいと思います。