産業構造審議会知的財産分科会弁理士制度小委員会

先週第4回の資料が発表となりました。
今回は「弁理士試験」について含まれている会合でした。

忙しくて、何も書けなかったのですが、一応記載しておきます。

ただ、議論がどのようにされているかは議事録を見ないと解りません。
また、それが法改正でどのように影響するかも解りません。
したがって、以下の内容で弁理士試験が変わる訳ではありません。
ただ、参考資料として記載してみたいと思います。

受験生の皆さん向けということで、各試験制度の「対応の方向性」を中心に記載します。
なお、詳細版は直接特許庁のサイトからダウンロードして下さい。
明らかに関係内内容(外国語の試験科目、外国法制度の試験科目)については割愛します。

条約について(短答)

条約の重要性が増している現在の状況においては、その基礎的知識を確認するため、科目別合格基準の導入、問題数の増加、出題内容・方式の変更等の必要な措置について検討することが必要ではないか。

短答試験について厄介なのが「科目別合格基準の導入」いわゆる「足きり」です。
例えば「各科目4割」と設定されてしまうと、どんなに点数が良くても条約で「3点」だと不合格になります。
更にこの点については、法改正をせずに運用で行うことが可能です(極端な話、平成26年の試験で施行可能です)

条約について(論文)

国際出願の重要性の高まりを受け、平成19年には、工業所有権法令の範囲内で条約について問うことが弁理士法施行規則において明確化されている。これは、特に論文式筆記試験に関し(鄯)の点を明確化したものであり、その結果、現在でも条約に関する問題は特許法等、各法令において多数出題されている。
こうして法令と条約を関連付けて出題することにより、条約単独で出題するよりも複合的・総合的な出題が可能となり、より深く受験者の能力を考査することができると考えられる。
したがって、論文式筆記試験における単独の科目として導入するよりも、現行の出題の枠組みを維持することが適当ではないか。その一方で、条約の重要性の高まりを受け、工業所有権法令の枠内で、条約についてこれまで以上の頻度で出題(例えば毎年)されることを受験案内等において明確に打ち出すことなどを検討してはどうか。

どうやら条約単独での論文試験は消極的な雰囲気です。ただ、毎回条約絡みの問題を出題するという方針が今は出されています。
そうなると、現行の問題数で意匠・商標は足りるのか?という気がします。
また、例えば特許法であれば、PCTは184条絡みしか出題されないということなのでしょうか?
実務的には34条補正等も重要ですから、出題が偏る気はします。

論文式筆記試験選択科目について

選択問題の数が多い場合、各選択問題の難易度を揃えて試験の公平さを担保することは難しくなる。他方、選択問題を集約することは問題間の公平さを増加させることができる。したがって、選択問題の集約を図ることについて検討することが必要ではないか
具体的にどのように集約するかについては、受験者に与える影響が大きくならないことなどに配慮しつつ、試験を実施する工業所有権審議会において詳細な検討が必要であると考えられる。

選択科目が多すぎるということでしょう。
理系科目等で専門科目を受験する人は影響を受けそうです。

口述試験について

多様な業務を行う資格者になるための入口の試験において、コミュニケーション能力、品位等に関する合格基準を適切に定め、客観的・画一的に考査することは困難であると考えられる。よって、口述試験の公平性を懸念する指摘がある現状においては、更に客観的・画一的な考査が困難であるコミュニケーション能力、品位等を考査することは適当でないと考えられる。
一方、工業所有権法令の知識を最終考査する手段として口述試験を引き続き実施する場合には、まずは今年度の試験から着手している運用改正(筆記試験の合格基準の見直し、口述試験の実施方法の見直し)を進めることを始めとして、取り得る対応について検討する必要があるのではないか。
なお、他士業における口述試験の状況については、以下のとおり。
・司法試験、公認会計士試験、税理士試験、行政書士試験:口述試験なし
司法書士試験、土地家屋調査士試験:口述試験あり。

今年合格率を上げたことにより、不公平感を緩和したようです。
合格率は遙かに上げる(90%以上)として、やはり口述試験はあった方が個人的には良いと思います。

試験の免除制度について

免除制度については、多様な人材の参入を促し受験者数の拡大を図るという導入趣旨等に鑑み、現時点ではそれぞれ以下の点に留意し、引き続き、制度の運用状況の把握、取り分け制度が志願者に与える影響について検討することが必要ではないか。

これ以降、短答試験・論文試験の免除、選択科目の免除等について記載があります。
簡単にいうと、これらの免除は残す方向のようです。