条文を理解するということ

論文答案を添削していると、読みやすい答案もあれば、読みにくい答案もあります。
読みにくい答案は、点数も伸びません。

読みにくい答案、はたまた点数が取れない答案の何処に原因があるかというと「条文に従っていない」という部分が大きいと感じています。

論文試験の勉強をしていると、「規範」「あてはめ」という言葉を聞いていると思います。
これは論文試験(法律試験の答案)としては基本の考え方です。

しかし、過去問のレジュメや、答練のレジュメが総てそのように書かれている訳では有りません。
そうすると、受験生としては「規範、あてはめと書く必要は無い」と考えがちです。
しかし、この考え方は間違えです。「規範」「あてはめ」が原則であることは間違いないのです。

例えば、採点していると「論点」の中の「要件」を落とす人がいます。
「要件」は条文の要件です。この条文の要件に問題文の条件を当てはめていくのが論文答案です。
そして、答案の中で多くの要件の記載が落ちます。
全部落とさない人はまずいません。
多いか少ないかの違いとなってくるだけです。

論点落ちは「問題文のヒントに気がつかなかった」場合に発生します。
要件落ちは「条文の文言に気がつかなかった」場合に発生します。
この、要件落ちは、「規範」「あてはめ」という書き方をすれば、実は殆ど防ぐことが出来ます。

毎回規範あてはめをする必要はありません。
それは、答案においてする必要が無いだけであって、答案構成の段階ではするべきなのです。
あとは記載量とのバランスから、答案に表現するかどうかの違いです。

要件を落とす人、読みにくい答案を書く人に限ってこの点が出来ていません。
弁理士試験は、短答試験・論文試験・口述試験にかかわらず「条文の試験」なのです。
条文から離れてしまえば合格することは出来ません。

論文試験の答案を書くときも、条文を理解することが大切です。
常に条文を意識して書くようにしてみてください。