著作権管理団体

昨日の話の続き。
ときどきこういう記事(ニュース)が出ると著作権管理団体が「悪者」のように扱われます。
確かに、細かいところまで権利行使する姿勢は、色々と思うところもあります。
しかし、便利な一面も実はあります。
それは、正当に著作物を利用しようとした場合、お金で解決出来るという点です。

個人が使用する細かい事案に対する権利行使については、確かに「あくどい!」という話になりがちです。
しかし法人使用ですと、コンプライアンス遵守という立場から、問題無く利用をしたいというニーズはあります。
この点、著作権管理団体があると、著作権の処理を適法に行う事が可能です。

これが、音楽ではなく、書籍となるとどうでしょうか。
雑誌の切り抜き、書籍の複製を「適法」に処理しようとすると途端にハードルが上がります。
それは出版物については、音楽ほど明確な団体がないためです。

例えば、ある企業が、自社のニュース記事を集めたスクラップのデータベースを社内で作成することになったそうです。
この企業は、後で問題にならないよう、新聞社に利用許諾を求めました。
しかし「前例がないため使用料も不明となり、認めることはできない」と断られたという話を聞いた事があります。
これも、しっかりとした著作権管理団体があれば、うまく処理出来たのかも知れません。

著作権も権利ですから、守るべきものは守る必要があります。
その為には、フェアユースの考え方をしっかり取り入れる必要があると思っています。
現状では、著作権法の目的である「権利の保護」は行われていますが、「公正な利用」が確保出来ていないと個人的には感じています。