間接侵害の規定について

間接侵害の規定について苦手としている受験生が多いので、簡単に。
特許法を例に挙げると、101条は1号〜6号にわかれています。
まず、物の発明については、1号〜3号に規定があります。
このとき、1号、2号は「侵害につながるもの」のときに該当する条文となります。

例えば「カレーライス」の発明があったとします。
このとき、「カレールー」を販売している業者がいるとします。
この業者は、「カレーライス」を販売している訳では有りません。
したがって、「カレールー」は「侵害品」ではありません。
しかし、誰かが「カレールー」を買って、ご飯にかければ「カレーライス」ができあがります。

この「カレーライス」の手前段階、「カレールー」を販売しても侵害とみなしますよというのが「間接侵害」です。
この「カレールー」が「のみ品」(このカレーライスにしか使えない!)場合は101条1号。
この「カレールー」がある程度汎用的に使える場合は、「カレーライス作るよね!」って知っている場合は101条2号です。
結論としては、1号、2号は「カレールー」の販売が問題となります。

3号は話がかわって、違うお店ができあがった「カレーライス」を仕入れてきました。
しかし、お客さんに販売していない。持っているだけ=所持です。
この場合、「実施行為」に該当しません。
実際に販売しないと、特許侵害といえないとなると、お店が売るまで待つ必要があります。
それも面倒なので、手前段階「カレーライスを持ってるだけでだめ!」というのが3号です。

結局、3号は「カレーライス」が問題となります。
すなわち「侵害品」が問題となっています。
それに対して1号、2号は「カレールー」が問題となります。
こちらは「侵害につながる物」が問題となっています。

ここに大きな違いがあります。

先日書いた「輸出について」。
侵害品を輸出のために所持する行為は3号に該当します。
それに対して侵害につながる物を輸出する行為は1号、2号には該当しません。
だって、「カレーライス」=「侵害品」に変わるのは外国での話ですから、日本では関係のない話です。

4号〜6号の関係も同様です。
4号、5号は「侵害につながる物」が対象ですが、6号は「侵害品」そのものです。
方法の発明における侵害品は「物を生産する方法により生産された物」だけです。
したがって、6号では単純方法の発明は関係無いのです。