試験の目的

国家試験には色々な種類があり、それぞれ目的があると思っています。
この間医師国家試験を見ていたら、すごい試験だなと思いました。
計500問で、3日間で行われるらしいです。
その上試験科目という概念がない・・・。
我々ですと、特許法、意匠法、商標法とか別れていますが、内科も外科も皮膚科もとりあえずなんでも全部出ちゃう。
もう、試験を受ける側からしたらクタクタになりそうです。

更に変わっているのが「禁忌肢」と呼ばれるものがあるそうです。
これは「その答えを選ぶと、他が満点でも不合格」というもの。
今は3問それをやってしまうとその時点で不合格らしいです。

その問題自体は難しくないそうですが、さすがに3日で500問も解くと、疲れて来ますし問題文を深読みしすぎて逆に間違えてしまうこともあるみたいです。
本当に大変な試験です。

ただ、ある人によると、医師国家試験は「試験に出来る人=優秀な人」を合格させるという目的より、「医師にしてはいけない人」を選別する試験なのでこのような仕組みになっているということ。
それを見て「なるほど」と妙に納得してしまいました。

さて、弁理士試験の目的って何でしょう?
正確に条文を覚えること?定義趣旨が覚えられること?
自分としては、「妥当な結論を出せる人」を見つける試験だと思っています。

弁理士に限らず、法律屋さんは総ての条文、判例を覚えている訳で有りません。
また、実務で使わない分野は忘れてしまいます。
もしそうであっても、プロとして「妥当な結論」を出していきます。
「商標であったら、こういう結論になるはず」
という考え方です。
したがって、本試験で問われることを全部覚えている必要も無いし、覚えられる訳もありません。しかし、妥当な結論が出せるということが大切なのです。

そうはいっても、特許の世界も手続きが細かいので正確な手続きの知識も必要です。
ある程度の知識を身につけ、そして解らないことに直面しても、妥当な結論が出せる人が「弁理士」に合格して欲しい人ではないか・・・
と、個人的には感じています。

日頃からそんなところを意識して学習して頂ければ、良い結果が出せると思っています。
すなわち、暗記に頼らず、「そもそも何故そうなのか?」と考えて勉強することです。

考え過ぎても疲れてしまいますが、少しずつでも考えると良い方向に進むはずです!
頑張りましょう!