作問者の立場で考える2

昨日の続きです。

昨日は「答案って採点するのって大変!」って話をしました。

採点するのは大変というのは、採点者の苦労も有るのですが、それ以外にもあまりにも答案がバラバラだと正しい評価が出来なくなります。
「これ、確かにこの項目を考えると、×ではないよな」って内容が出てきてしまうのです。

したがって、答案は「揃っている」方が評価もしやすく、採点もしやすいのです。
なので・・・出題者は「この項目を採点したい」という「項目」に受験生を誘導させる必要があります。
例えば、商標法において「先使用権」に誘導させたければ、出願前から「周知」である商標を登場させる訳です。

「はい、商標Aは周知だよ。32条の先使用権書いてね。」

という気持ちで問題文を作るわけです。

さて、今度は違う問題が出てきます。それは「みんなが気がつくとテストにならない」訳です。
素直に「商標Aは、商標Xの出願前より周知であった」とずばり書いてあったら、みんな書けてしまうからです。
そこで、出題者は条件を隠します。これは出題者側のテクニックです。

「甲のお店は地元で好評を得ており、他府県から車で購入に来る程であった。」
「商標Aは、CM等を繰り返し行っていた。

これもやり過ぎると、「本当に周知なの?」って受験生が疑問に生じます。
そうすると、出題者が予定していなかった「場合分け」をされる場合があります。
このさじ加減はとても難しいのです。
この点、本試験はかなり精査されており上手く出来ています。
ちゃんと読めば不測の場合分けが生じないことが殆どです。

さて、こうやって「書いて欲しいこと」に誘導するために、問題文に「項目」を入れていきます。
したがって、問題文には原則「項目」に繋がるヒントが埋まっています。
それを如何に発見できるか!が受験生に必要な力です。

もう一つ、出題者が使うテクニックがあるのですが・・・つづく。