PCTにおける指定国に日本を含めるか否かについて

前回のゼミで答案を見ていると、勘違いしている人が多かったので説明しておきます。
PCTにおいて、指定国はみなし全指定となっております。
国際出願をすると、日本国を含むPCT締約国全てを含むことになります。

ここで、出願時に日本を外すことが可能です(PCT規則4.9(b))

で、R4.9(b)を参照して頂くと解りますが、国内出願を優先権主張の基礎とする場合にのみ日本国の指定を外すことが出来ます。
すなわち、日本においてまず国内出願をし、その出願を基礎としてPCT出願をしているときだけ「外す(除外する)」という手続が出来ます。
これは、日本国内出願→PCT国際出願の日本出願は国内優先権と考えるからです。

したがって、外国においてされた国際出願では、日本を含まないということはありません。
マドプロ、ジュネーブ改正協定と混同している人がいるようですので、ご注意下さい。
(なので、論文答案とかで場合分けの必要はありません)

なお、この制度が利用出来る国は、日本、ドイツ、韓国だけです。

参考→日本国の指定の除外に関する注意点-PCT規則4.9(b)の改正の概要- | 経済産業省 特許庁