26−59−ニと25−10−1とについて

質問があったのでお答えします。

質問です。26-59-ニでは実14条の2より1項訂正は技術評価書の謄本送達から2月経過後は不可とありますが、7項訂正ならできると思いマルにしました。25-10-1では7項訂正はできる、とあって後者とどう違うか分かりません。

問題を見てみます。

[25-10-1]願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正は、実用新案法第13条第3項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があった日から2月を経過した場合を除き、1回に限りすることができる。

[26-59-ニ]実用新案権者は、一部の請求項について実用新案技術評価を請求した場合において、その一部の請求項についての最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があった日から2月(実用新案法第14条の2第6項の規定により延長が認められた場合にはその延長された期間)を経過したときであっても、他の請求項については、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができる。

確かに似たようなことを聞いています。

ここで書く問題について「○」「×」の妥当性を考えてみます。

25-10-1

・○だとした場合
「1回に限り」としていることから、「○」が正解だと7項訂正は一切出来ないこととなる。7項訂正を想定すると誤り。したがって、適切ではない。
・×だとした場合
1項訂正は1回しか出来ない。しかし、7項訂正は可能であり、適切である。

こう考えて、「×」が妥当と判断出来ます。

26-59-ニ

・○だとした場合
他の請求項についてであっても7項訂正は可能である。しかし1項訂正は再度することは出来ない。もし「○」が正解だとすると、1項訂正を考えるとつじつまが合わない。したがって適切ではない。
・×だとした場合
7項訂正はすることが出来る。しかし、1項訂正は出来ない。

こう考えて、「×」が妥当と判断出来ます。

「することができる」

すなわち、「することができる」という枝で「○」の場合、することができない場合があり、除外されていなければ「×」になる訳です。

25-10-1の問題は、「2ヶ月経過」「1回に限り」とあることから、出題者は1項訂正の他に「7項訂正があるよね」ということを聞いていると思われます。
26-59-ニの問題は、「経過したときであっても」、「他の請求項について」とあるので、技術評価請求しなかった請求項はどうなるのという題意と考えられます。
しかし、現場でここまで題意を考えて結論を出すのは難しいでしょう。

本試験の問題で、題意把握がしにくい枝が出てしまうのは本試験では仕方ないことです。
例えば、「することができる」と言われて、A、Bという出来ることがあった場合、Aで成り立つから「○」では結論が早過ぎます。
このとき、Bでは成り立たない場合は「×」と判断することが適切な事もあるのです(上述の例です)

理解に時間がかかる問題、題意が解らない問題は、逆の発想「この答えで問題がないか」と考えて結論を出すことが必要な場合もあります。