上手い人は「間違えない」のではなく「間違えたことに気がつかれない」

先日、テレビを見ているときにピアニストの人が言っていた言葉です。

番組の中で演奏をしたのですが、とても素晴らしいものでした。
司会者の人も「素晴らしいですね」と言っていたのですが、ピアニストの人が言うには「いやいや、間違えてますよ」とのこと。
実際の演奏会でも、完璧に弾けることは少なく、どうしても間違えてしまうらしいのです。

自分の用に、音楽が分からないから気がつかないのかも知れませんが、みんなが分からない人ではありません。
それでも、気がつかれることは殆ど無いらしいのですが、それは「分からないから」ではなく、分からないようにするらしいのです。
自分は音楽は詳しく無いのですが、そのピアニストの人曰く、ある音を間違えたら次の音も少しずらすらしいのです。
それを連続することで、全体として違和感がなく聞こえる音楽になるらしいのです。
そして、ピアノが上手い人ほど、このごまかし方が上手いらしいのです。

しかし、いくら間違えるといっても、「絶対に外してはいけない音」「絶対に間違えてはいけない音」とのこと。
それをすると、聞いている人は直ぐに「外した!」って気がついてしまう、だからそういう音は絶対外さないそうです。

この「間違えない」のでなく、最初から「間違えた場合のリカバリーが出来る」というのは仕事でも重要なことだと思っています。
人間ですから、どんなに気をつけても間違えることはあります。
このとき、如何に早く修正出来るか?が重要だと思っています。
そして、「絶対に間違えてはいけない」というポイントを外さないことも重要です。

さて、この話。
実は論文試験の勉強とかでも同じです。
合格者は定義趣旨を「間違え無い」訳ではありません。
レジュメの文言、規範を一言一句正確に書いている訳では無いのです。
しかし、「外してはいけないポイント」があります。
そこを外さなければ、基本的に「合格点」はつくのです。

試験迄残り少なくなってくると焦ってくると思います。
重要なことから、試験のポイントを外さずキッチリ、そして淡々と学習を進めて頂ければと思います。