「新高揚」事件

「新高揚」って新宿にあるラーメン屋さんらしいですね。

ヨドバシの近くらしい。

さて、このラーメン屋さんにまつわる商標権侵害事件の判例

AがBに店を譲渡するのだけど、その譲渡交渉の直前に、Aが店名の商標権を登録し、Bに店を譲渡後に権利行使したというもの。

権利行使認められませんでした。理由は民法の権利濫用。

原告は,当初,Bに対し,原告の跡を継ぎ本件店舗を購入するよう持ちかけ,「新高揚」という店名も含めて本件店舗を売却する意向を示し,平成24年10月中旬以降,B及びCと本件店舗の譲渡に関し交渉を始めたにもかかわらず,その直前である同年9月24日に原告自ら個人として原告商標権の商標登録出願をしていた事実をB及びCに一切告げないまま,同人らがその事実を知らない状況で,本件営業譲渡契約を締結して1700万円もの譲渡代金を受領した後,自らは原告商標を全く使用しておらず,将来においてこれを使用するための店舗の営業等の具体的な計画を有しているわけでもないのに,被告に対し,被告標章の使用の差止めと損害賠償を求めていることが認められる。
そうすると,「新高揚」の名称を使用できるものと信頼して本件営業譲渡契約を締結した被告に対し,本件営業譲渡の当事者である訴外会社の代表者であった原告が原告商標権を行使することは,民法1条3項所定の権利濫用に当たり許されないと認めるのが相当である。

ちょっと受験生にはなじみの無い論点ですが、平成14年で一度出題されたことのある論点です。