ゼミの新企画

今日はゼミで新企画をやってみました!

事例だけあたえ、権利者(使用者)として、どのような対応を相手企業に取るべきかを検討してもらうという方式です。

意図は、受験生であっても「弁理士」としての意識を高めて欲しいと思っているからです。
論文試験と口述試験は、割と実務的な思考が役に立つのです。
どうしても、受験生だと「勉強」「テスト」とだけ考えてしまい、レジュメの項目や内容を暗記しがちです。
しかし、実務相談では、そんな定型的な話はありません。
問題によって我々は唯一の武器である「条文」を使って戦っていくわけです。

そして、普段単なる勉強としてしか登場しない条文等を、より現実的な例で考えて頂くことにより、条文の意味をしっかり考えて欲しいという意図がありました。
(グループを甲社(乙社)知財部、その会社を扱う特許事務所と分けたのは、単なる遊び心でしたが、これはそれなりに上手く機能していたようです)

この事例は、具体的な商標の態様とかを書いた代わりに、日付の関係等はあえて出しませんでした。
要件を書きすぎると、結局「問題」になります。
きっと、線図を書いて、条文から可能な要件を抽出し・・・という作業になります。
そうではなく、幅広い視点から、上げられる項目を検討するという作業をして欲しい気持ちから曖昧にしていました。

この辺は狙い通り、色々な意見が出ていて良かったと思います。
他の人の意見を聞いて「こんな風に条文を考えているのか?」って思って頂ければ良かったと思っています。

普段論文試験の問題等を見ていると、何かつまらないと感じないでしょうか?
しかし、この論文試験の勉強って、その先の実務に繋がっている話なのです。
そう考えると、論文試験もすこしだけ「面白いかも?」って思えてくるのではないでしょうか?
同じ勉強をするなら「面白い」と思った方が良いのではないでしょうか?

当然、試験に出ないことをやる必要はありません。
しかし、試験に役に立つ範囲であれば、そういう「問題から離れて条文を考える機会」があっても良いと思います。