判例
知財高裁の大合議の判決が出ているので紹介します。二酸化炭素含有粘性組成物事件(平成30年(ネ)第10063号 令和1年6月7日判決)です。特許法第102条第2項、第3項に関する判決になります。 その中でも、第3項の判決文について紹介します。内容…
平成29(ネ)10096 損害賠償(東京地方裁判所 平成28(ワ)35182) 平成30年6月19日判決 控訴棄却(1部)特許権 (携帯端末サービスシステム) 構成要件充足性,均等侵害 ちょっと気になったのは、携帯サービスにおける課金方式の違い(構成要件C)が争点の1…
ちょっとだけかわいそう(?)な判例です。「特許出願手続において代理人の追加選任がされた場合におけるそれ以前から選任されていた代理人に対する拒絶査定の謄本の送達の効力」が争点として争われました。特許法12条です。 ある在外のQ社の特許出願Xに、…
こちらも最近の判例で、侵害訴訟の控訴審に関するものです。 なお、判例をざっと読んだだけで、出願明細書、出願経過を参酌している訳ではありません。ご了承下さい。 (自分のメモ用です) 裁判概要 争点 指針 裁判概要 本件は、米国の企業が特許権(第4450…
平成29(行ケ)10155 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟 平成30年1月15日 知的財産高等裁判所立体商標に関する判例です。 出願人Xは、「くい丸」という「くい」を販売しています。この「くい」について立体商標の出願をしたのですが、3条1項3号違反で拒絶…
シートカッター事件 判事事項 判例文 シートカッター事件 104条の4に対する主張に関する最高裁判例です。 104条の4で一番理解しやすい場面は、「払った損害賠償を返して」という場面です。 これについては青本でも記載されているところです。 本件は、訂正…
請求項の記載に「からなる」があった場合の判断を、裁判所がしっかりやっている判例です。 分野は違いますが、自分としては「からなる」という表現は使わないようにしています。文章表現一つで、大きくもめることとなるからです。今回の事件では、結局は限定…
侵害事件の控訴審ですが、被告の一人がヤフーです。 権利者(控訴人)が侵害品と主張する製品をヤフーショッピングで販売されているため、ヤフーに対して差止請求を行っていた事件。 ヤフー実体は実施していないので、差止請求の対象とならないという判例で…
最近の判例から。拒絶査定不服審判に対する審決取消訴訟です。 結論は、原告が負けてしまった(拒絶審決維持となった)のですが、判決文を読むと途中「審判官の認定が違う」という記載がちょこちょこ出てきます。例えば、「補正後の発明の「マイクロモジュー…
気になる判例について個人的なメモです。平成26年3月25日 知財高判 平成25年(行ケ)10193号。 進歩性の適用について。特許庁が同じと判断しがちな技術分野を、裁判所が否定した事例。 審決は,「ソレノイド駆動ポンプを含む電気機器や電気システムに…
実務的に一つ気にある判例が出ているので、自分のメモ代わりにも。 平成26年02月05日、知財高判(平成25(行ケ)10131)です。拒絶査定不服審判を請求し、同時に手続補正を行った場合です。 このとき、「拒絶査定と異なる拒絶理由」を発見した場合に、審判官は…
今日は、今年の判例から一つ。 判例にしては短いですし、気分転換に読むのにはちょうど良い事件です。論点的にも面白い判例です。かなり長くなりますが、紹介しておきます。 なお、端折っているので、少し伝わりにくいかも知れません。気になる方は最後に記…
ゼミの答案で少し話題になったので記載しておきます。 使用商標が先使用権を有する場合、必ず4条1項10号に該当するかという点です。青本の記載を参酌すれば、4条1項10号の過誤登録の救済規定として商標法32条(先使用権)が認められていると記載が…
自分としては一つ気になる判例があるので、メモ的に記載しておきます。 弁理士試験とは関係ありません。 なお、詳細に検討している訳ではないので、細かい点で問題があるかもしれません。その点をご了承下さい。 なお、判決文はこちら 事件の概要 被告Yは、…
裁判所の速報に一件著作権侵害事件について判決文が掲載されていました。ポニーキャニオンが販売している素材集に、原告の撮影した山野草の映像動画が含まれている。この映像については許諾を与えていないからDVDから削除しろというものです。原告側(カ…
先日ちょっと受講生と話をしていたときに気になった話題です。特許法102条第2項について、特許権者が実施をしていない場合に、損害の推定規定を受けられるか?という話題です。例えば、短答試験の過去問では以下のように出題されています。 [15-54-5]特許法…
商標「御用邸」について、無効が争われた事件です。 判例:http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130603105312.pdf 商4条1項7号で無効になる事件はときどきあるのですが、やはり正面から問題になるという事件は少し興味があります。御用邸は皇室の別…
判例って、読んでると面白いときがあります。だいたいそういう判例に限って試験には出ないのですが。「平成24年(ネ)第10009号 特許権移転登録手続請求事件」(知財高裁)が中々面白いのがありました。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120417…