作問者の立場で考える3

一応続きです。

さて、出題者は問題文に書いて欲しいことを隠しました。
要するに「ゴール」を設定し、「チェックポイント」を配置し、問題文としては完成です。
ただ、「チェックポイント」は擬装されています。

さて、これで上手く誘導に乗ってもらえるかと思うと・・・中々そうは上手くいきません。
出題者は「ゴール」から逆算してルートを考えていますが、受験生は「スタート」からルートを見るからです。
本来は「右折」してもらうところを、うっかり「直進」してしまうことがあるのです。

なので、通ってはいけないルートを「通行止め」にしておく必要があります。
「そっちには行ってはいけないよ」ってバリケードを置く必要があります。
これが、実は問題文にあるのです。

典型的なのは、「マドプロは考慮しない」「交渉等は行わない」という問題文最後にあるものです。
また、解りにくいのは

「商標「LEC」に類似する商標「LEc」を・・・」

のような場合、この「類似する」という言葉は、「LEC」と「LEc」の類否判断(外観・称呼・観念)は細かくしなくて良いというバリケードの場合が多いのです。

出題者としては、答案が発散しないようにこのようなバリケードを設置します。
ただ、受験生は割とこれを軽く乗り越えていきます(笑)

よく「問題文の言葉でも使わない場合がある」のですが、本試験の場合はその言葉がバリケードだったりします。
この点についても、本試験はかなりよく考えられて上手く設置されています。

そのような点からも、論文過去問を繰り返しやるというのは効果が高いのです。