地理的表示保護制度
どこまで業務として取り扱う先生がいらっしゃるか解りませんが、地理的表示保護制度が6月1日から始まります。
その説明会が農水省主導であるそうです。
地理的表示保護制度は、簡単に言えば「地域団体商標」を農水省側で保護するようなイメージです。
地域団体商標の問題点としては、農水省側は2点上げています。
- 1.品質の統一化が図られず、産品のブランド価値の向上が図られていない。
- 商標制度では、品質を守る取組はあくまでも自主的な取組にすぎず、品質を制度的に担保することはできない。
- 2.ブランドへのただ乗りが行われている実態
- 商標権は私権であり、侵害への対応は訴訟などによる自力救済。農林漁業者等が行うには一定の限界。
この点を解消するべく設けられた制度です。
すなわち、地理的表示保護を登録する場合に品質も登録する点、不正に使用をされていた場合には行政が対応してくれるという点が保護が厚くなるという制度です。
この法律(制度)が6月1日より施行されることにより、商標法26条第3項も施行されます。
地理的表示保護制度の主体となれる団体は複数の団体を登録することが可能となっています。
したがって、地域団体商標の構成員以外の使用者という人が登場する場合に、当該条文が用いられることになりそうです。