スマートコースの予習復習レジュメについて

ご質問があったので、お答えします。
なお、質問は原則としてはDMでは受け付けていませんので、以下、ブログで回答します。

入門講座6回まで終了したのですが、29条の2のレジュメ(予習・復習のポイント)で、2の(1)〜(3)について記載する内容を講義で話していないような気がするのですが・・・講義の中で流れていってしまうので、答えを話されているのかもしれませんが、初学者には、キープアップするのがちょっと辛いです。このレジュメの、空欄になっているぶぶんの回答は、どこかでアップされていたりするのでしょうか?

まず、予習復習レジュメの目的は「講義を視聴する段階」「内容を復習する段階」で活用して欲しいという意図になります。
したがって、当該の学習回で、「試験になるポイント」が記載されていることになります。
この空欄が、テキストや条文を見ながら思い出せるレベルになっているなら、講義の内容はクリアとなります。

さて、入門生が講義を1回聴いて、この空欄が全部分かるかというと、それは無理です。
当然予習段階のテキストを読む、講義を聴く、復習としてテキストを読む等をして、やっと分かるかどうかです。
そして、この段階で分からないということは、理解ができていないことになりますので、もう一度講義を見直す位のことをして頂きたいです。

そして、このレジュメですが「解答」はありません。
理由は2つあります。

1つは、「解答」を出してしまうと、その「解答」を覚えようとしてしまう場合があるからです。
すなわち、単純に「穴埋め問題集」のように、解答を覚える(暗記する)というスタンスになる人が出ます。
これはあまり意味がありません。

例えば、今回のご質問については、39条と29条の2との場面の違いですので

(1)同日出願の場合
(2)発明者同一の場合
(3)出願人同一の場合

が正解となります。
もし、この正解があると、(受講生によりますが)この3つを覚えようとするのです。
すると、今度は意匠法に入った段階で、意3条の2という特許法29条の2と似たような規定が出てきます。
ところが、意匠法には(2)がありません(意匠法は創作者同一の場合適用がない)
そうすると、今度はこれも覚えようとします。
「何故?」を考え無いのです。

1年以上勉強した受験生に、上記3つの場面について質問すると答えられる受験生は多くなります。
ただ、「それってどうして?」って聞くと、答えが止まる人が多いのも事実です。
単純に「答え」を覚えていて、考えていないためです。
そうすると、理由付けが論文用に必要になると、理由付けを別に覚えます。
更に、意匠法でも似たような規定が登場しますので意匠法でも覚えます。
と、出てくる度に「覚えよう」とします。
これをやると、自ずと限界が来ます。

最初は覚えた方が楽です。
しかし、その勉強法は段々つらくなってきます。
しっかり考えて欲しい、分からなければ戻って欲しい。
そういう理由で答えは付けていません。


2つ目は「分からないことは分からないまま勉強をする」という習慣を付けて欲しいのです。
すなわち、最初から全部潰そうとしないということです。

穴あきレジュメを自分で埋めても「あっているかどうか分からない」と思います。
それで問題有りません。
それは「正解をしっかり覚える」のが目標ではないからです。
内容を「自分で理解した結果」だからです。

実際、29条の2学習をして、復習します。
もう一度戻った段階で、39条を復習すると「あれ、29条の2とどう違うんだ?」って思うはずです。
こう思うようになったらしめたものです。
この、「29条の2」「39条」との対比は1回目では分かりません。
一度勉強を進んだあとに気がつくからです。
「今分からないこと」も後になれば「分かること」があります。
現状を完璧にするのではなく、しっかり自分で考えたなりの成果を出して欲しいと思っています。

そして最後に・・・・
こうやって分からなかったらTwitterでご質問頂きたい訳です。
質問していただければ、こうやって勉強の仕方を説明することもできます。
また、あまり試験に関係無ければ「関係無いよ」ってことも言うことができます。

実は勉強法は、通信でも通学でも、家での学習は一人ですから、みんな手探りです。
分からなければ聞いてもらうことで、方向性を決めることも可能です。

と、この辺の意図をしっかりとご説明しておけば良かったのですが、上手く説明できていなくて申し訳ありません。
学習環境の整え方については、1回目の学習コンパスで説明する予定です。