条文の理解
先日コメントを頂きました件について。おそらく悩まれている箇所がほぼ同じなため、併せて少しコメントしたいと思います。
自分が講義の中でよく考えてと伝えているのが、「何故この条文があるのか?」ということです。当然、本試験の日もそれだけで解こうとしたら時間もなくなりますし、無謀だと思います。しかし、普段の勉強はやはり「何故?」という視点は大切だと思っています。
例えば、コメントにあった「権利能力なき社団」ですが、特6条1項各号に限定列挙されているものしか、その名において手続をすることが出来ません。これを「暗記」しようとすると、本試験で忘れてしまうかも知れません。
しかし、これらの手続は共通点があります。それは「相手の権利をつぶす」という趣旨です。降りかかる火の粉を払うために、「相手の権利をつぶす」ことをするための規定なのです。この中で審査請求は異色に感じますが、これも相手の権利をつぶす意図でやるものです。異議申立の性格に近いもの・・・とちゃんと青本に書いてあります。これが条文の理解だと思っています。
たまたま一例ですが、このように「何故」という視点から条文を読んで、自分なりに理解出来ていれば、もし忘れても、過去問と違う聞かれ方をしても答えが導き出せると思っています。
世の中、何か一つの「絶対的なルール」があって、それに基づいて総てやろうとしてしまいがちですが、中々そうはいきません。投資にしてもそうですし、例えばギャンブルも同じです。「一つのルール」で総ての答えを出すことは幻想だと思います。
弁理士の勉強も同じで、一つのやり方で総てをこなす事は出来ないでしょう。いくつかのやり方を組み合わせてやる必要はあると思います。
あと、勉強は「忘れる」前提でするべきです。講義で「忘れて良いですよ」と言いますし、多分「忘れているだろう」という前提で講義をしています。だから、同じことを何度も聞きます。
「人間は忘れる」(少なくとも自分は忘れます)という前提で最初から勉強をすると、「忘れた場合どうするか」というリスクヘッジが出来ると思います。