意匠登録出願から特許出願への出願変更の時期について

質問があったので、お答えします。

意匠登録出願から特許出願への変更において、意匠登録出願の日から3年経過後であっても、出願変更をすることが出来るか?という点ですが、これは可能です。具体的には、最初の拒絶査定の謄本の送達の日から3月以内であれば出願変更が可能となります。
したがって、意匠登録出願の日から5年位たって、最初の拒絶査定等本の送達があった場合、このタイミングで特許出願に変更が可能となります。

理由としては、出願変更がされると、もとの出願の時まで出願日が遡る結果、変更したときはすでに審査請求期間がきれていて出願が取り下げられていたとみなされ、出願変更が出来なくなる場合があるからです(吉藤 P.347。注解特許法 P.827)

追記

と上記記載をしたのですが、「理由付けが適切ではないのではないか?」とのご指摘を頂きました。
上記理由付けは、吉藤 P.347の記載をそのまま持ってきているのですが、確かに審査請求をどうするかという話であって、そもそも出願変更が出来るか否かという点ではありませんね。

他の基本書も全部調べたのですが、明示しているものは有りませんでした。

通常、「(最初の)拒絶査定謄本送達後」という期間は、出願人に今後も意匠登録出願として進めるか(拒絶査定不服審判を請求するか)、特許出願として進めるかとを選択させるための期間です(意匠法13条第1項の趣旨はそのような趣旨です)。

したがって、この「選択期間」については、確保しましょうということから、上記期間であれば、本来の審査請求期間の3年経過後であっても、出願変更を認めるという趣旨と解されます。