判例の学習について
ときどき判例関係の質問を受けますが、自分は判例の勉強については重要度はかなり低いと考えています。
理由は、条文や青本の重要度の方が遙かに高いと思っているためです。
判例の勉強は必要という考えもありますし、判例自体を学ぶことは悪くありません。
ただ、「判例」に引っ張られて、条文が理解出来ていなければ本末転倒であるということです。
「判例は重要度が低い」と書くと「勉強しなくてい良いのですか?」「○○先生は判例大切って言っていました」と言われることもあります。
「判例をやらなくて良い」という意味ではありません。
判例は必要ですが、その前に「条文」「青本」の理解が最優先と考えています。
そこがしっかり出来ていない状態で・・・という意味です。
まずは基本をしっかり身につけて、その上で短答試験・論文試験で問われた事のある判例を押さえていく方法です。
さて、判例については、最重要なものから、あまり気にしなくて良いものもあります。
以下、大まかな分類です。
最重要の判例
条文からは導き出せないタイプの判例&規範を書きやすい判例です。
典型的なのは均等論でしょう。均等論は条文の原則(70条1項)を拡張するイメージです。
したがって、押さえていないと解けません。
なお、この手の判例は殆どが最高裁判例です。
ギリギリ知財高裁(出来れば大合議)でしょう。
重要度が真ん中位の問題
条文とほぼ同じという判例です。
例えば、審判請求の請求人適格ですが、判例で記載しても良いですし、条文に基づいてもかけたりします。
だったら、判例は別に押さえないという考えです。
重要度が低い問題
試験に問われたことない判例です。
特に地裁レベルの判例は、重要度は低いと思っています(全てではありません)
例えば、学習机事件は、地裁レベルの判例ですが、重要度は真ん中位だと思っています。
ただ、これも個人的にはちょっと思うところがあります(ゼミとかでは話をしています)
考え方について
なお、いつも言っていますが、基本講師によって考え方が違います。
ここで書いていることはあくまで個人的見解です。
例えば、A先生が判例から勉強をしましょうと言っているとしても、それは間違えではありません。
また、「A先生は判例重要って言ってる!」という質問も受けます。
また、そういう受講生さんはおそらくA先生には「判例不要ってききました!」と質問するかも知れません。
ちなみに、上に書いているのは「判例が不要」とは書いておらず、「優先度」の話をしています。
だけど、受験生にとっては「判例不要!」って思ったりする人もいます。
基本的に、講師の言うこと、合格体験記は自分にあうやり方のつまみ食いで良いと思っています。
もしつまみ食いが出来ないよってひとは、メインで教わっている先生のやり方を盲信するのが一番楽です。
どの先生も通しで指導を受ければ、ちゃんと筋が通るはずです。