商標的使用態様
今日はゼミの補講でした。参加された方はお疲れ様でした。
前にも書きましたが「とりあえず原則」「条文通り」解釈するのが重要です。
弁理士試験は条文の試験であり、一番大切なのが条文の解釈だからです。
今日扱ったのは商標的使用態様についてです。
商標的使用態様についての記載することは必要ですが、まず条文の範囲で考えるべきです。
それでも話が割り切れない場合は商標的使用態様の話が登場するという理解でよろしいかと思います。
すなわち、商26条に該当するならまずその点を説明し、26条に該当しない場合であっても商標的使用態様でなければ、商標の使用に該当しないという流れです。
その原則を無視し、法解釈や知っている判例に流れる人は多いのです。
例えば段ボール箱等の「包装容器」に商標を付せば、2条3項1号の使用に該当するのが原則です。実際初学者の人はそのように書きます。ところが、学習が進んでくると直ぐに「巨峰事件」を想起し、その流れで書いてしまう人は多いのです。
このように「例外」が先に来てしまうのは些か問題があります。
受験機関の答練では、こういう場合判例を想定していることが多いので問題がありません。しかし、今度は「オーソドックス」なことを問うても直ぐに判例に結びつける人がいます。
まずは原則を理解し、判例・法解釈は例外である点をしっかり意識すべきです(実際論文試験で判例を知らないと解けない問題というのは少ない点に気がつくべきです)。
発展的な内容
学習が進んでいる人は、「商標的使用態様を検討し、26条の適用について記載する方が良いのでは?」とこだわる人もいます。また、そう指導されることもあるかと思います。理由は「判例がその流れだから」です。
うがった見方をすると、そもそも「商標的使用態様」に該当しなければ、他のことを検討するまでもなく判決を書くことが出来ます。実際、判例をみれば判断していないことが解ると思います。
これは、検討事項を少なくし、判例を短くする裁判官のテクニックです。
(当然それだけではないのですが、一因としてです)
受験生の場合は、項目を挙げる必要がありますから、まずは条文通りを記載し、そこから条文から離れた内容と流した方が多くの場合は書きやすいと思います。
受験生としては「試験に合格する答案」「点数を取りやすい答案」を意識する点が重要です。