平易な言葉で記載する

論文試験に限らないのですが、資格試験の場合は以下に「不合格となるリスク」を減らすかです。

例えば、前回のゼミの問題は意匠の問題でした。
ここで、論文の最初で、8割の受講生は意匠の定義から入っています。
であれば、まず意匠の定義は書かないと書き負けてしまうという意識は持って欲しいところです。
いつも言うように、論文試験は「多数派」にいなければならないからです。

さて、この意匠の定義ですが「意匠とは物品の美的外観をいう(2条1項)。」と書いている人がいます。
しかし、ここでは、「意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩〜」と2条1項の条文の言葉でしっかり書くべきです。

前者の書き方で「間違いなのか?」と言われると、確かに完璧出なくても間違いでは無いかも知れません。
しかし、今回の問題で言えば、このような書き方をしている人はオンリーワンでした。
他の人は総て条文通り書いています。
マイノリティになっているというのは、リスクが大きく気をつけた方が良いです。

答練の成績が伸び悩む一つのパターンに「自分の書き方に酔う」受講生がいます。
ことさら難しい言葉、日常使わない解りにくい表現を好んで使う人です。
しかし、この書き方は、正直リスクが増えるだけです。
受験機関側にも原因はあるのですが・・・他の人と同じような答案を書くのが一番合格しやすい答案だと思っています。
条文通り、かつ、普通の言葉で書いているのが一番良いのです。
受験生は受験生であり、学者でもなければ、判事でもありません。
受験機関のレジュメですら使わない表現は避けるべきです。

このように「自分の書き方に酔う」タイプの受験生は、合格後の明細書や意見書もそのような傾向になりがちです。
極力平易な言葉(ある程度解りやすい言葉)で、簡潔に書くというのは最近のトレンドです。
明細書についても、「特許文章なんだ」と言わんばかりに難しい言葉で書くのも、流行りません。
少なくとも、発明者がみて「わからない」という表現はしない方が良いと思っています。

答案に話を戻しますと、平易な言葉(日常使う言葉)であれば、曖昧さがあります。
逆に難しい言葉は、使い方が厳格です。
それが故、少し使い方が違っていると読んでいてものすごく気になります。
「どうしてこの表現?意味解ってる?」と逆に心証が悪いのです。
そこまでリスクを冒して、難しい表現をする必要は個人的には無いと思っています。

オンリーワンの答案ではなく、多数派の答案を目指して行きましょう。