勉強法の取捨選択

1年目の受験生はともかく、2年目、3年目・・・となってくると色々な講座を取る人も増えてきます。
そうなると、甲先生、乙先生、丙先生と色々な人に習うことになります。

そうすると、各講師とも言っていることが違っていたりします。
これは、ゴールは同じだけど方法が違うことから生まれる事情です。
例えば、東京から大阪にいく方法として、飛行機が良いと言う人と新幹線が良いと言う人。
それぞれいると思いますが、どちらが正解とか無いのです。
ちなみに、自分は時間があれば車で行きたい性格です。

勉強方法も同じです。
なので、それなりの受講生を見ている講師のやり方であれば、どのやり方をしても基本合格します。
大切なのは、そのやり方をやりきるということです。
実際、一人の講師を信じて「えいや!」ってやった人の方が合格しやすいとは思います。
よく合格体験記を見ると「なんだか、甲先生万歳みたいな内容だな」って感じることも有ると思います。
あれは、実際宣伝云々というより、実際そんな感じの人の方が受かりやすかったりするのです。

逆に、受験生が判断すると失敗することもあります。
例えば、短答試験において、

甲講師「今の時期は四法をキッチリやる。下三法は殆ど無視して良い」
乙講師「短答試験の過去問を全部ぐるぐる回す。今の時期からしっかりやること」

と話しています。

この場合、甲講師の方法は「四法をキッチリやる」という部分が重要です。
なので、四法について深く考え、3月、4月は四法についてはメンテナンスで終わらせるという戦略です。
それに対して、乙講師の方法は「ぐるぐる回す」という部分が重要です。
すなわち、多くの問題を繰り返しみることで、記憶を定着させるという戦略です。

さて、これをガイダンスで聞いた受験生Zくん。

「甲先生は下三法やらなくて良いと言ったけど不安だよな〜。乙先生やれって言ってたし、下三法もやらないと。あっ、甲先生四法しっかりやれって言ってたから、じっくりやろう」

Zくん、下三法をやる分当然四法をやる時間は少なくなります。
「いやいや、四法はじっくりやったよ」といっても、下三法にかけられる時間も四法にやって欲しいというのが甲講師の意図です。
そこは反映されていません。
また、四法に気持ち時間をかけているので、回数を増やして欲しかった乙講師の意図は、こちらも反映されていません。

結局、両先生の意図が反映されないまま、勉強が進んでいきます。
これで上手くいけば良いのですが、失敗してしまうこともあります。

それぞれの講師とも意図があって勉強法等は話をしています。
「良いとこ取り」をしたつもりが、実は上手くいっていないパターンもあるのです。

勉強法は人それぞれですし、「自分の事は自分がよくわかる」というのは当然です。
講師は受講生全員の性格を把握できている訳では無いです。
しかし、合格者像や、受験生の平均像(ここは出来ない、ここは理解しなきゃだめ等)を講師は持っている訳です。
逆を言えば、講師側の強みはここが一番です。
そこに近づいて欲しいという気持ちで色々な方法論を話しています。
だから信じてしまうということはとても大切です。

短答試験までも120日を切ったりと不安なことも多々あると思います。
色々勉強を進めてみて、上手くいっていないなと思ったら、自分のことを一番見てくれている講師に相談するのが良いと思います。
そして、そのやり方を信じてしまうというのが楽だとは思います。
不安に感じていない受験生なんて誰もいないのですから、不安に感じる位で丁度良いのです。