優先権主張について

質問があったのでお答えします。

27-37-二において、基礎となる特許出願Aの明細書に記載されていたイについて、優先権主張をして特許出願Bをした際に「特許請求の範囲のみ」に記載と問題文にあります。
これは36条6項1号に違反しているともいますが、それを理由に優先権主張が認められない、という規定はないので、優先権は問題なく発生していると解釈して良いのでしょうか。
36条違反をもとに優先権は適法に発生しておらず、特許出願Aは取り下げられ29条の2の地位もなくなり、また特許出願Bは優先権の効果を得られず、特許出願Cよりも後願になるため、29条の2の関係にないものと勘違いしてしまいました。

優先権は、簡単に言うと先の出願が「出願として認められている」ものであれば、問題有りません。
すなわち、記載要件や、特許要件を具備しているかどうかとは別の話です。
出願をした時点で優先権がぽこっと発生します。

問題とは関係ありませんが、上述した問題の事例の場合、明細書にイの記載を追加することは、後の出願で行うことが可能です。
(明細書に追加したイの記載が、先の出願時の開示の範囲を超えれば、特許要件の判断基準日は後の出願となります)

なお、先の出願が分割出願でないこと等、41条1項の要件を満たしている必要もある点については注意して下さい。