比較衡量と比較考量、衡平と公平
テキストやレジュメ、基本書を見ているとこの辺の言葉が出てきます。最初のうちは「違いがあるの?」って思うのですが、結果として同じことを言っています。従って、どちらで書いても問題は無いと思っています。
しかし、厳密に考えると意味が違いそうです。以下、私見ですが・・・
「衡」には「バランス」とか「釣り合い」とか、そういうニュアンスの意味があります。
したがって、「比較衡量」というのは、「両者を比較し、バランスを考えた」という意味があるのではないでしょうか。例えば、職務発明で「「使用者の利益」と「従業者の利益」とを比較衡量し、」という文章を趣旨として書きますが、この両者のバランスを考えたという意味。これが「比較考量」だと、単に両者を考えただけという意味。
また「衡平」と「公平」も、「衡平」になるとバランスとか、釣り合いという意味が入るのでは無いでしょうか?
だから、「衡平の原則」といわれるとバランスを含む意味になります。それと比較し「公平」は、総てが平らであれば良いということです。
例えば、ケーキを大人と子供で分ける場合。ちょうど半分ずつで分けるのが「公平」。それと比較し、大人は後でケーキを買ってくることも出来るのでちょっと子供を多めにしてあげるのが「衡平」。
きっとそういうニュアンスがあるのだと思います。ただ、実際に答案にするときには大きなさは無くなるのであまり考えなくて良いのかも知れません。
ちなみに、違うといえば「弁理士」と「弁護士」。これ「弁」の字が実は旧字体だと違うんですよね。これ自体にちゃんと意味があるんですけど・・・今は同じ漢字なので解りませんよね。