短答解法 第7回とか

昨日は短答解法の講義でした。
やはり思ったより進みませんでした。
実施権のところなのですが、扱いの違いの理由付けとかを考えてもらうとどうしても時間がかかってしまいます。

さて、色々話をしていると、みなさん勉強法のバランスが色々と難しいと思います。
例えば、「条文を見ましょう」という話をしますと、本当に丁寧に条文を読んでいるなというのが伝わります。
しかし、今度は「条文を読む」のが目的になってしまう人がいます。

最近感じるのが「条文パズル」になっている人です。
条文パズルの一例をあげますと、条文を追うのが目的となってしまっており、準用条文とかひたすら探していくという勉強法です。
準用は確かに複雑な規定です。
ただ、規定が有るか無いかを確認するだけでは、あまり記憶に残りません。

そもそも、「条文を覚えてられる人」と、「条文を覚えてられない人」がいると思います。
自分としては、後者の人を想定しています。
まず、趣旨や条文のモチベーションから、妥当な解答を出してしまうという方法です。

例えば、この前受講生さんから以下の様な質問を受けました。

出願A(イ)に基づいてパリ優先権主張をして我が国に出願B(イロ)をする。
そして、出願B(イロ)に基づいて国内優先権主張をして出願C(イロハ)をする。
この場合、出願Cのイについては、どうなりますか?

条文上の根拠を挙げれば、特41条2項かっこ書きで除外される発明に特43条1項が規定されています。
したがって、イにおいて累積主張は認められません。

ここで、条文を読んで学習すると、「規定されているから」でこの理解が止まってしまいます。
そもそも、何故優先権で累積主張が認められないのか?パリ優と国優との違いは何なのか?
そういう部分をまず理解した上で、条文を確認するという作業は必要になると思います。

過去問を読んで適用条文がどこかということも大切かもしれません。
しかし、条文は本試験では忘れる可能性があります。
そうであれば、制度趣旨からまず妥当な解答が求められることが大切だと思っています。
更に、条文の根拠が解るという方が効果が高いと思っています。
という話をすると、今度は「条文は見なくて良いんだ!」となりがちですが、それはダメです。

問題を解くときは引き出しが多い方が有利です。
どちらの考え方でも答えが出せることが重要だと思います。
確かに、問題に対して「特許法X条でY条を準用してるから○なんだよ!」というのは格好いいと思います。
ただ、自分の場合は、「再審制度の趣旨を考えたら、○なんじゃない?」みたいな答えの出し方です。

条文を覚えてなくても解ける解き方をしていると、こんな考え方になります。
そのとき方で答えが出ない問題だけ覚えていけば良いのです。

試験に合格するためには記憶力を高めるか、覚える量を減らすしかありません。
記憶力を高めるのはかなり厳しいところです。
自分は極力覚える量を減らしていきたいと思っています。